chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

いまどきの若い人の製造業に対するイメージ

 
数日前に、若い人のエントリーで、こんな感じの内容を読んだ。
それが誰のどれだったか探し直してみたがみつからない。
うろおぼえだけどこんなかんじ
 
・工場に見学に行った。
・ロボットばっかりの工場はすごかった。
・人手で組み立てるのが中心の工場もある。
・みる機会があれば見ておくといい。人生観が変わる
・工場には、何十年もおなじことを毎日やってきた人がいる。
・その人が、自分の仕事を楽しそうに説明してくれた。とても痛かった。
 
ほんとうにうろ覚えなので全然違ってたらすまぬ。
で、何にひっかかったかというと、
「何十年も毎日同じことをやってきた工場労働者が、自分のやっていることを、さも楽しそうに自分に説明してくれるのが痛かった」
言いたいことはわかる。
 
何十年も毎日同じことをやりつづけるなんて、そんな人生信じられない
 
・・・と思う人が、世の中に少なからず居ることは解っているつもりだった。
たまたまこの人のブログが私の目に入っただけで、工場労働者に対してこういう感想を持つ人はたくさん居ると思う。
 
でも、これを読んで、なんかすごく悲しい気分になってしまった。
 
自分の場合、物ごころついたときから、仕事というのはまず基本がルーチンワーク、単純作業だと思っていた。1970年代ごろというのは、世の中にパソコンなんてのが無かった時代で、工場なんていっても、今から考えたらものすごく原始的な設備しかない時代だった。世の中にはとにかく単純な反復作業が膨大にあった。そういうのを仕事として傍らで見ながら育った自分たちの世代。
 
今はどうか。そういう単純作業はどんどん中国やその他東南アジアの国に工場移転してしまった。今国内に残っていて手作業で工業製品を作っている所というのは、日本の産業全体から見れば時代遅れの負け組に見えるかも知れない。多くもない賃金で、さらに1/10以下の賃金の中国人と競争しなくてはならないのだから。そういう現場で働く日本人が楽しそうに自分の仕事を説明するのを見るのは痛いって。その気分は解る。わかるんだけど。
 
強烈にせつないなぁ。おまえらいつからそんなに偉くなったんだ?
 
IT関係の仕事がいくらきついきついと言っても、こちらはきつさの質が違う。
ソフトウエアの仕事がいわゆる製造業と全く違うのは、今日書いたソースコードと全く同じソースコードを、明日も書かなくてはならないなんてことを要求される心配はないということ。
製造業がやっている、「毎日同じ作業の繰り返しで毎日同じものを作りつづける」という作業をソフトウエアに例えるなら、「毎日毎日、同じソースコードを一字一句違わずに今日も明日も繰り返し入力し続ける」みたいな行為と同じことをやっている訳で、それは想像しただけでも耐えられないよなぁ。製造業はそれに相当するようなことを日々やっているわけだ。
 
ショックだなぁ。製造業が、今の若い人にそんなふうに見られているなんて・・・。
 
古い価値観にとらわれた古い人間なのかな俺は?本当に?身の回りにこんなに大量生産品があふれているのに?普通に身の回りにある大量生産品で、100%ロボットで生産されているものなんて実際はまだまだ驚くほど少ないんだぞ。