chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

もしニコニコ動画のPV数に「売り切れ」「完売御礼」があったら

 
ニコニコ動画には本当に感謝している。たまたま偶然だけど、ニコニコ動画が始まった時期というのはちょうど私が別居を始めて離婚を決めた時期だったので、気分転換にニコニコ動画には本当に救われた。私にとってニコニコ動画は文字通りニコニコ動画です。
 
で、話は変わってコミケですよ。夏コミ。カタログチェック楽しい。ニコニコ動画コミケって、似ているところもあるけれど、対照的な所もたくさんあって、比較してみると面白いなぁと思ったのが今日のネタ。
 
共通点は、アマチュアでもセミプロでもプロがこっそり参加するのでも、ほぼ同列に扱われて、実力勝負になる側面が強いこと。これいいよね。テンション上がる。
 
対照的だなぁと思ったのが
【稼働日】
コミケは年2回、夏冬にそれぞれ3日づつだけ。しかも10時から12時頃までの僅か2時間がピーク。
 VS
ニコニコ動画は年中無休(メンテで止まることはあるけど、休暇を取るために休むんじゃないという意味では年中無休)
 
【お金】
コミケで使うお金の平均 一般参加の大人で1日1人平均3万円ぐらいらしい×3日で延べ50万人ぐらい。1回のコミケでざっくりなんと150億の大金が動く。夏と冬をあわせれば年間300億!。黒字なのか赤字なのかという話については、黒字が出るのはごく一部の人気サークルで、赤字持ち出しなサークルが相当数あるようなので、人件費まで金額換算して全部合算すると赤字の可能性が高そう。
 VS
ニコニコ動画は基本タダ。使っても1人月あたり数百円〜数千円
 ドワンゴの2008年の売上高が約250億。これはニコ動以外も含む数字。←ニコ動単体の数字を見つけたら修正したい。ここには動画を作った人たちの制作費は全く含まれないので、比較する数字としては不適当なんですが、規模感として面白いなぁと思って並べてみました。
 
 
嫌儲派がうるさいニコ動なのですが、一方のコミケに限って言えば、嫌儲派なんてどこに居るの?って感じなんですよね。何でしょうこの温度差。もっともこれは大半のサークルが赤字もしくは良くてもトントン、原稿作成にかけた時間を時給計算するなんて・・・っていう状態で頑張ってるので、嫌儲派も黙認しているということは有るかもしれない。 
 
ニコ動のあまり目立たない問題の一つに、大半の有料動画が全然見られてなくて、危機的状況を通り越してもうオワットルといわざるを得ない状況があると思うんですが、私としてはこれは本当に残念なんです。しかし、かたやコミケには、このクソ暑い中、たくさんの人が集まってこれだけのお金が動いているという、この明暗を分けているのはいったい何なんだろうと、思うわけです。なにか学べるところが有るはず!!!。
 
コミケが盛り上がれる理由の一つに、権利者削除のようなものが無い、というのは大きいと思います。1サークルあたり数十〜数百冊の小部数、年に2回のお祭り的なイベント、熱狂的なファンの情熱etcということで長年黙認してもらってきている訳ですね。ただし同人誌の枠を超えて大きな話題になってしまったようなもの・・・ドラえもんの最終回とか・・・は、権利者削除に相当するような手続きがとられた事例があるわけですが、これらは全体から見ればごく例外。
 
もし、ニコ動並みの権利者チェックがコミケに導入されたら、・・・それでも従来どおり盛り上がれることが理想ではあるのだけど・・・・・、実際問題としては、難しいだろうなぁ。コミケではオリジナルなネタで頑張っているサークルもたくさんあるんですが、それだけでは50万人は集まらないことは確か。
 
なぜニコ動において権利者削除という手段が必要になってしまうのかといえば、一度人気に火がついてしまうと瞬く間に爆発的にPV数が伸びてしまうというインターネットの特性にも一因があるのではないかと思われる。そこで、逆転の発想で、投稿者が再生数を制限できるようにするというのは、選択枝の一つとしてあっても良いんじゃないか、ということに、コミケと対比してみると気が付くわけです。
投稿時点で、「この動画は100回再生されたら"完売御礼"の札に切り替える」という仕掛けを予め用意しておけばいいわけですよ。権利者削除されるより、自滅したほうが気分いいじゃんさ。余計な手間が省けるし、サーバーにデータをいつまでも残しておく必要が無いというECOなメリットもあるね。
 
100回で制限しても、見た人が転載したら意味が無い?。・・・うーん、そうかなぁ。転載物って、動画紹介サイトが敬遠するので、意外とPV数伸びない印象があるんだけど、甘いかな。
 
「権利者削除そのものが不要になるような状況を作る」ということにはもう一つ重要な意味も有ります。有料動画を提供している人たちに対する、「我等が敵の権利者たち」というような、投稿者と権利者との間の不毛な対立構造の軽減・解消に少しでも役立つのではないかという。小手先の話ですが、まず「この動画は権利者削除されました」という表示やアナウンスは止めるべきだと思う。代わりに、ジョークとして「完売御礼!」の札に差し替えるという話だって、検討してみる価値があるんじゃないかと思うんだよね。敵対心をあおるような表現は、誰も幸せにならないよ。ニコ動の有料動画がいつまでも鳴かず飛ばずなのは、こんなところにも、原因があるんじゃないかなぁ。