chintaro3の日記 

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出生率と歴史の話

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出生率回復に100年かかったフランス」 --- 日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090903/203925/?P=1
 
堅苦しい事を言えば、いろいろツッコミ所はあるんだろうとは思うが、要は、この考え方・仮説が、我々の未来を占うのに役立つのかどうかという事が重要だ。この点では、この仮説が正しいかどうかにかかわらず、一石を投じたという意義はとても大きい。そういう意味で、もっと評価されるべき。
 
この仮説によれば、日本が戦後、大躍進を遂げることができた最大の要因は、戦後のベビーブームだったということになる。そして現在。出生率が下がり、人口減に転じた日本がこの先どうなるのかといえば、ハイリスクハイリターンよりローリスクローリターンを良しとする社会的風潮が強くなり、じりじりと国際競争力を失い、政治は権力闘争に明け暮れるうちにガタガタになり、民衆の不満が鬱積して、そのうち紛争か戦争でも起こるに違いないという理屈になる。歴史が繰り返すならね。 
 
いくつかは既に現実のものとなった。ハイリスクハイリターンよりローリスクローリターン、という話で言えば、高利貸しが規制されて低金利で安全な所にしか金が貸せない国になりつつある。一見よいことの様に見えるが、長期的に見れば、この保守的な姿勢は、日本の競争力を弱めることになるだろう。政治は民主党が政権を取ったが、これで生活が何か良くなるだろうなどとは正直誰も思っていないという、不思議な政権交代である。この手のゴタゴタした権力闘争はこの先もエスカレートするだろう。唯一期待するところといえば少子化対策だが、フランスで100年かかったという話が日本でそうそう好転するとも思えない。もっとも、それでは人口増に転じれば全てがうまくいくのかといえばそんなはずはなく、ただでさえ増えすぎの世界人口、100億を超えて石油が底をつきはじめた頃には世界大戦が起こっても不思議じゃない。
 
自分らが子供の頃は、日本の未来を明るく語る大人がもっとたくさん居たと思う。現在、そのいくつかは実現したが、一方で日本の未来を明るく語る大人は居なくなってしまった。なんでか。先が読めなくて将来が不安だというのは実は嘘で、今より将来の状況が悪化することは目に見えているはずなのに、だれもかれも目をつぶったりわき見をしたりして現実を直視せず逃げているだけなんじゃないのか。
日本の将来が、現状よりかなり厳しくなり、国際競争力が低下して貧困化が進むに違いないということを、現実として受け入れることが先決なんだろう。

関連:
http://zarutoro.livedoor.biz/archives/51274352.html
このピークの1人が俺な訳だが。こりゃ死ぬまで苦労しそうだ。
今年の年収もグラフのピークの1人になる。