chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

インテルの Light Peak

 
PCのハードウエアに関する仕事をしている人にとって今ホットなニュースといえばコレ。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20400735,00.htm
http://techresearch.intel.com/articles/None/1813.htm
 
技術的にはホットな要素はあんまり無く、ほとんど既存技術の組み合わせなんだが、インテルが本気で低コスト化に取り組むらしいという所が最大のポイント。
 
個人的には5年ぐらい前からこういうものが欲しいなぁと思っていたから、やっとか、っていう感想。
なにはともあれいいニュース。
 
一方、この発表はUSB3.0を推進するNECに喧嘩を売った形になるわけだが、言っちゃぁ悪いけど、正直に言って、Intelが去った今、NECに電線方式のUSB3.0を成功させる力は、もう無いと思うね。それに、今のUSB3.0は色々とダサすぎる。現状の要求には、ある程度は応えられるかもしれないが、10年後の技術要求に対応する余地はほとんど残ってない。これからスタートして世界中に普及させようかという規格に、たったの10年後が視野に入ってないなんてありえない。一方、 Light Peak は現状10Gbpsからスタートして100Gbpsまで拡張できることが既に視野に入っている。これなら10年後の市場の要求にも応えられるだろう。この点で、勝敗は明らか。
 
光ファイバーによる高速通信の分野では、日本のメーカーも地味に頑張っている。けど、基本、NTTなどのインフラ向けが主なので、永らく真面目にコストダウンに取り組んでこなかった。限られたパイの中で、わざわざ自分の売り上げを落とすようなことをする必要がなかったのだ。そのツケが今来た。今すぐ直ちに Light Peak対応を始めればギリギリ間に合うかもしれないが、インフラ向けの仕事をやってたような部署というのはお役所体質がしみついているので、そんなサーカスみたいなことができる訳がない。結局、気がついたときには Light Peakに日本メーカーの参入する余地は無い、というようなことになるに違いない。
 
30代のまともなハードウエアエンジニアなら、 Light Peak のようなものをずいぶん前から欲していた人は少なくないと思う。それを作るための技術要素は日本にも揃っている。ただ、それらをうまくコーディネートして規格化してローコスト化して普及させる立場にある会社・・・日本なら松下かソニーあたり・・・が、なんでこういうものを取り纏められなかったのかと言えば、大企業内の役員の高齢化と中堅社員のモチベーション低下の弊害としか思えないんだが、そのへんどうなんだろう?。
 
負け組 日本を象徴するような歴史が、また一つ生まれてしまった。