chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

音楽のドーナツ化現象

 
ネタ元:
音楽業界がいかに危ないか俺が優しく教えるスレ
http://workingnews.blog117.fc2.com/blog-entry-2525.html
 
ボカロでメジャーレーベルと契約する人が、何を期待しているのか興味があるので、記事を見つけたら今後もチェックしていく。ちなみに、私の地元のCDショップは全部の店が、たとえメジャーレーベルであってもボカロのCDは一切扱ってくれません。たぶん、どこぞから組織的な圧力でもかかってるんじゃないかと思う。
一方、同人ショップは普通にボカロCDを扱ってくれる。自ずとCDショップからは足が遠のき、同人ショップでCDを買う方が増える。同人ショップも、いまどき全国に販売網を持つ所も珍しく無い。だから、別に冷遇されてまで、メジャーレーベルや古い体質の販売網にしがみつくメリットなんて無いと思うんだけどね。

この状況を見て、ふと、地方都市の中心部の、シャッター街と化した商店街と、郊外型の店舗、みたいな関係を連想した。
シャッター街化しつつあるのは、旧勢力。いわゆるメジャーレーベル。CDショップに並ぶ売れないCDと、閑古鳥の鳴くシャッターばかりの商店街に、なにか共通した寒々しさを感じる。
郊外型店舗に相当するのが同人系の販売網。同人というのはそもそも中心部のメジャーなシーンからはちょっと距離をおいたところに存在するもの、っていうあたり。
 
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それともう一つ。

dwangoは結局のところシステムの会社だから
ニコ動からコンテンツというかシーンが育ってくることはない。

いや、dwangoという会社を良く知っているけど
あそこはコンテンツを作れる体質じゃない。
そういうエンターテイメント性がないというか

最初読んだときはなるほどなぁと思った。
 
id:kawangoの反応(ブコメから引用)

ドワンゴがコンテンツつくれる体質じゃないというのは外からみた場合には真実。猛省すべし。

 
しかし、よくよく考えてみて、ちょっと待てよ、と。そもそもコンテンツって何よ、エンターテイメントって何よ、っていう。
確かに、ニコニコ動画は、「従来型のコンテンツ」「従来型のエンターテイメント」を作れる体質じゃないかもしれない。それはそうなんだろうと思う。でも、現に私は毎日ニコニコ動画を見て楽しんでいるし、落ち込んでいる時には救われたりする。UP主の動画だけが魅力なわけじゃない。「ニコニコ動画」というシステムの成長自体が、コンテンツでありシーンでありエンターテイメントである、とも言えるはずだ。
 
それが従来の常識の枠からは、はみ出しているというだけ。
 
音楽とシステム、どっちが上か、みたいな話もナンセンス。音楽だって、それ自体は、実はとてもシステマティックなもの。前奏があってAメロBメロがあってサビ、だとか、ビートがどうとか拍子がどうとか、和声理論がどうとか、そういうシステムを用いて、最終的に「人の感情に何かを訴えかけるもの」を目指す。何をどう訴えかけるかが人によって違う訳だけど、だからって音楽にはシステムが無いとかシステムは不要なんていう話にはならない。
そう考えると、ニコニコ動画だって、「人の感情に何かを訴えかけるシステム」だと言えるよね?
 
「従来型のコンテンツ」「従来型のエンターテイメント」だって、何らかの「システム」に依存しているのは同じなんだよね。十分なノウハウ(=システム)の蓄積があるから、それを有効活用してクオリティの高いものを作ることができている訳で。
ニコニコ動画」のシステムというのは、「システムの成熟度」というレベルで言えば、まだまだヒヨッ子ではある。少なくとも数百年の歴史を持つ「音楽」というシステムと比べれば。映画やTVとの比較も同様。だからその点で、ニコニコ動画がプロに馬鹿にされるのは仕方がないが、卑下することなんか全然ないよ。どっちに成長の余地がたくさん残っているのか、ってことを考えればさ。
 
「従来型のコンテンツ」「従来型のエンターテイメント」を今欲しがっている人に対して、ニコニコ動画が対応出来ていない、というのは確かにそのとおりだろうけど、だからって、今からそんなものに擦り寄る必要なんて、無いと思うね。
 
危ない危ない。うっかり旧人類に洗脳されるところだった。