chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

為替介入に必勝法はあるか

チラ裏御免

ネタ元:
購買力平価でみた日本経済の問題点」--- アゴ
http://agora-web.jp/archives/1094758.html
円高」の空騒ぎ --- 池田信夫blog
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51481375.html
 
為替介入の話。とりあえず現状は日銀の勝ち。心配なのは、これにどう仕舞いを付けるかということ。
 
(1)中途半端な介入で結局負けに終わる。
  スイスやイギリスの事例はこれ。もっとも有力視される。
 
(2)本気でドル高円安になるまでドルを買う。
  ひょっとしたらそこまでやる気なんじゃないか?という期待感は、まだ残っている。「本気で」とはどういうことかというと、国内で相当のインフレが起こるレベルまで、という事だ。現状は、日本のデフレに対して米国はずっと数%のインフレで来ているから、70円代前半もしくは60円台が適正な為替水準なのではないかという話もあるわけだが、これを本気で是正しようとするのならば、正攻法は国内でもインフレを起こすことだ。そこまで介入し尽くす覚悟が日銀にあるのか?という話だ。
しかし当然ながら、為替介入だけでは国内のインフレにはならない。為替が円安で均衡するレベルまでインフレさせるためには、一時的にでも非常に高率のインフレ状態となるような、強力なカンフル剤を何がしか打たない限り、話の辻褄が合わない。しかもそれを政府の介入資金が尽きるまでにやらなくてはならないのだ。・・・こう書いてみると、このストーリーは厳しい・・・。
 
(3)一時的に円安に持っていった後、中国に米国債を売り付ける
 直接的に政府として困った問題は、日本が所有する米国債が、円高のために莫大な含み損を抱えているということだ。これを一時的にでも円安に持っていった上で、含み損を減らして、その上で政府が所有する米国債を中国様にでもお買い上げしていただけると、帳簿上は非常にありがたいだろう。中国はドルにペッグしているから、日本のような含み損の問題がないのだし。その為に一時的に為替介入で大金が必要になっても、もとが取れるという判断はアリかもしれない。 これもまぁ、そんな都合よく中国が米国債を買ってくれるなんて、ありえないけど。
 
(4)日本が落ち目になったと判断されるまで介入を続ける。
 要は国外で日本国債の信用不安を起こせばいいって話。現状では、円買い圧力が無くなるっていうのは事実上そういうことでしょ。介入で時間稼ぎする間に、日本の悪いニュースを世界中にばらまいて、悪い印象を植えつけて、本当の円安に持って行く作戦。単独為替介入というのも、そういう意味では「悪いニュース」の1つだし、大規模な為替介入を狂ったように続けるとしたら、それも信用不安に繋がる十分悪いニュースだ。他にも、今の政治なら悪いニュースには事欠かないわけで(笑)。日本企業も海外に移転しまくってるし。今回の為替介入を勝利で終わらせる現実的な望みは、ここにしか無い気がするw。
 
 
そんなんでいいのかよw。それって、モラルハザードって言うやつなんじゃないの?
 
もし、モラルハザードを許さないのならば。お人好しで誠実な日本が取るべき道は。
 
 
(5)為替介入なんか直ちに止めて、円高を受け入れ、それに耐える産業体質を築く
 それで、産業体質がやっと改善して1ドル80円とか70円とかに耐えられるようになったと思ったら、またさらなる円高になって、以下無限ループなんでしょ。・・・でも良いんじゃないの。今までだって、何十年もそうしてきたんだもの。外国がずるいことしてるからって、日本まで同じことやっていいという理由にはしたくないね。エンジニアとしては。
 
参考 
http://agora-web.jp/archives/1095557.html

かつて、日本が空前の為替介入を行った2003年〜2004年の結果なにが起こったでしょうか。円高の防衛ラインが確定され、その安心感から円で資金を調達し、高金利国の通貨で運用する円キャリー取引の誘発であり、世界的なバブルの発生でした。

 
そこまで言っておいて、なんでだれも「円高を受け入れろ」って言わないのかなぁ? この状況こそ健全じゃないね。