chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

プロの壁、ニコ動の壁

 
ネタ元:
宇多田ヒカルがプロモーションビデオをYouTubeに一挙公開、なんとフルコーラスで視聴可能に
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20101109_utada_youtube_pv/
 
すごいですねー。さすがです。
 
・・・ただ、日頃ニコ動ばっかり見てる身としては、「やっぱりこういうのはYoutubeなのか・・・」という一抹の寂しさも感じざるを得なかったりして。
今、国内の「一流アーティスト」と言われる人達の中で、宇多田ヒカルさんというのは、ニコ動のような場所にもかなり理解がある人のようだ、という印象を勝手に持っているのですが、その宇多田ヒカルさんでさえ今回Youtubeを選んだということは、他のアーティストなら言うまでもない、ということになってしまう気がします。この流れはこの先当分、ニコ動には向いてきそうにないな、と予感せざるを得ない訳です。これがちょっと寂しい。
 
ざっと考えても、今回のようなケースでYoutubeの方が良い理由は幾つも思いつきます。
 
 
(1)ユーザーアカウント登録の問題
Youtubeは視聴するだけならアカウント登録無しでできます。一方、ニコ動は基本的にアカウント登録・ログインが必要です。プロが作品を発表する場としては、このアカウントという仕組みがどうにも邪魔くさい。
 
この仕組みは、ユーザーに対して規約に同意することを強制します。これにより運営は、迷惑行為を行うユーザーをアカウント停止するなどして排除する権限を得ます。ニコ動コミュニティを育てて行くにあたっては、この仕組みを選んだ運営は正しいと思っていますし、それは現在も変わりません。
 
しかし、プロが作品を発表する場を選ぶ、という状況下では、ちょっと話が変わってくる。昔の三波春夫の「お客様は神様です」なんていう言葉に象徴されるように、プロにとってはどんなDQN客も、客は客なんですよね。例えば有料のコンサートに行く時、求められるのはチケットを購入する事だけであり、契約書を読んで同意のサインをする、なんていう事は求められません。そんなことしなくても、DQN客を黙らせられるぐらいの実力がなければ、一流のプロとは呼べないのかもしれない。そういうプロにとって、アカウントなんていうめんどくさい仕組みは必要ないわけです。
 
 
(2)動画上に流れるコメントの是非
以前からよく言われていることですが繰り返すと、プロの映像作家さんには、自分の作品上に無神経なコメントが流れる事をよしとしない人がまだまだ多い。ニコ動側でも、コメントを禁止するオプションなんていうのも用意してあったりはするんですが、そうすると今度はユーザーの方から「コメントのつけられない動画なんてニコ動じゃない。Youtubeでやれ!」なんていう突き上げを食らったりする。
 
 
(3)ニコニコチャンネルが苦戦している件
プロや企業が動画を発表する場として、「ニコニコチャンネル」というのがあるんだけれども、一部のアニメなどを除いては苦戦している。かなりコアなファンしか付いてきてない。この状況を鑑みるに、今回のような場合には、ニコ動にUPするよりYoutubeにUPするほうが再生数が伸びるだろう、と予測せざるをえないかもしれない。
 
 
(4)過去の経緯など
業界関係者じゃないのでよく解らないけど、過去の色々なしがらみの結果、プロのアーティストが気軽に何かをぽっとニコ動に投稿する、なんていうことが、やりにくい状況になっちゃってるのかな、という風にも見える。もし何がしかそういう経緯があるのだとしたら、関係改善を望みたいですよね。
 
 
以上、プロがニコ動を使いたがらない理由をこじつければ、他にも色々出てきそうな気がするのだけど、・・・御三家の件とか・・・、でもね。
 
 
すごーく遠目から両者を見たときに、目指す方向性に大きな違いがあるとも思えないわけですよ。アプローチは違うけれども、目指しているところはかなり似ているんじゃないのか。視聴者層はかなりな部分が被る訳ですしね。とすれば、両者の間に立ちはだかる壁を取り除く努力というのも、きっと無駄にはならないに違いない、と思うんですよね。
 
 
追記:

この演出って、ニコ生を連想させると思わない? ustreamでもいいけど。