chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

円高の件

 
ネタ元:
円急伸、77円台へ突入 対ユーロで95円台に上昇 --- 47news
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012060101002488.html
オピニオン:ユーロ崩壊と円高の終焉は近い=藤巻健史氏 | 外国為替 | 外国為替フォーラム | Reuters jp.reuters.com
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE85000M20120601?sp=true
 
円高の理由を、「おかしい」だけで済ませるのはバカ。
日本企業が海外に工場を作るなど海外投資しまくっているが、それは当然ながら投資以上の利益を見込んでいるからだ。そして実際、そのような実績を築き上げつつある。つまり、
海外投資 < 海外投資リターン
という関係性が成立してしまっているということだ。海外投資の段階では、円を売って外貨を買う。投資リターンを得る段階では、外貨を売って円を買う。海外投資 < 海外投資リターン であるならば、売る円より、買う円の方が常に多い事になる。
円売り(海外投資) < 円買い(海外投資リターン)
外貨のままストックしていれば円高にはならないが、それにも限度がある。この関係が続く限り円高圧力は存在することになり、簡単に円安に振れることはない。これは構造的なものだ。日本の海外投資が成功し続ける限り、円高は続く。震災の時に円高に触れたのも、海外投資とそのリターンが、どのように為替に影響したのかという観点で見れば、おかしなことではない。
 
と考えると、どのような場合に構造的な円高トレンドが終焉するかというキーポイントも見えてくる。
(1)海外進出に成功する日本企業より、失敗する日本企業の方が増えた時。
(2)海外進出して成功する日本企業より、日本進出して成功する海外企業の方が増えた時。
 
円高是正のために(1)の「海外で失敗する企業を待ち望む」というのは不健全なので、促進するなら(2)の方であるべきだろう。しかし、ここで言葉の壁が立ちはだかっていて、欧米企業が日本で成功するのは難しい事になっているのだな。中国の若い人は日本語の習得に熱心な人が多いので、日本進出する中国企業はこれからさらに増えるだろう。中国の元とドルはほぼペッグしているので、日本進出する中国企業の成功が、その逆を上回るようになれば、流れが変わってくるかもしれない。
若い人が海外に興味を持たず、国内指向が強まるようなら、将来的には(1)の状況になるだろう。
 
6/14追記
解り切ってることなので上記にはあえて書かなかったが、投機による為替相場への影響は、長期的にはあまり関係ないか、または関係有ったとしても為替を安定させる方向に働く。為替相場で儲けるには、安い時にかって高い時に売ることが必要だが、
 ・安い時に買う→円高要因
 ・高い時に売る→円安要因
となるからだ。
 
日本企業の本当の資本コスト --- 週間アゴ
http://agora-web.jp/archives/1464347.html
私は因果関係が逆なんじゃないかと思う。「円高・ドル安(あるいはユーロ安)が1円進むと、某メーカーは××億円の利益を失う」ということになる前に、日本企業集団は対外的に大きな黒字を出していてるという事を忘れてはダメ。それが円高要因なのだから。自分達が蒔いたタネを自分達で拾わされているに過ぎない。