chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

マイナス金利を実現するためには

 
マイナス金利で何が問題かといえば、預金者の預金が目減りする事。そんなの、みんな嫌だから、一斉に預金が引き出されてしまう。お金というのはただ金庫に入れておけば減ることはないので、わざわざ減る所に預ける馬鹿など居ないという訳です。
 
しかし、そうでなくても、銀行は何か問題を起こせば取り付け騒ぎにさらされるリスクがあります。取り付け騒ぎに対抗するために、中央銀行から必要な資金を調達できる仕組みがある。
 
ではここで質問。取り付け騒ぎで預金者が一斉に預金を引き上げ、銀行が中央銀行から資金を調達した後、全員がニ度と銀行にお金を預けなくなってしまったら、どうなるでしょう?
 
ルール的には色々マズイことになるのだろうけれど、実はこれって、「ルール上まずい」ってだけで、マクロな視点で見ると、実体経済にとっては実は別に問題ないんじゃないかって気がしてくる。
 
まず、中央銀行都市銀行等に融通する資金だが、実はこの資金の実態は日銀債である。日銀が日銀債を銀行に渡し、それと同じ額の何らかの債権を銀行は中央銀行に渡す。つまり銀行どうしの資金の融通というのは、実質的には債権の等価交換なのであり、その額がいくら巨大になろうが、同じ価値のものを交換しあっているだけなのだから、実体経済にとってはプラスにもマイナスにもならない。つまり何も問題はない。
 
預金する人が居なくなったら、銀行からの企業や個人への貸付が減るのだろうか。これも実は問題ない。ルール上、預金額の何倍までしか貸付してはダメ、と決まっているが、「いざとなれば中央銀行が無制限に資金を融通する」のであるならば、こんなルールなんか捨ててしまっても何も問題ないはずだ。
 
銀行は、中央銀行から借りたお金「だけ」を個人や企業に貸し付けて利子を稼ぐ、という業態でも、普通に存続することが可能なのだ。貸付の際に適切な担保が設定される限り、何も問題はない。 銀行にお金を貸し付ける(預ける)のが個人だろうが企業だろうが中央銀行だろうが、銀行にとっては本質的な問題ではない。
 
もし、個人や法人の「預金」という制度がなくなれば、金利をマイナスに設定することはとてもラクになる。預金がないのだから、金利がマイナスになっても取り付け騒ぎにならない(なりようがない)からだ。公定歩合は日銀が設定するのだから、日銀さえ納得すればマイナス金利の設定が可能になる。
 
不景気の原因は銀行からの貸付けが伸びない事だ。貸付けにマイナス金利が設定されて、「今お金を借りれば、将来はマイナス金利で返すお金が減ります」ということなら貸付が伸びないわけがない。