chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

「コードは資産じゃない、負債だ。」について

 
以前、何かの記事で見かけた言葉である。「コードは資産じゃない、負債だ。」
ググったらすぐ出てきたよ。便利な世の中だ。
http://jp.techcrunch.com/archives/jp20120420how_do_you_reduce_the_cost_of_development/
 
感覚的には良く解る。強いて言うなら、もう少し正確に、「収益を生まないコードは資産じゃない、負債だ。」と言うべきとは思う。開発費や維持費がかかっても、それ以上の収益を生むならば資産として扱っていい。問題は、多くの場合、あっというまに技術は陳腐化して、収益を生まなくなるという事だ。収益を生まなくなった所で切り捨てられれば負債にはならないのだが、現実にはそうもいかない場合が多々あり、結局の所は、いつか正真正銘の負債になってしまう。負債が一定量を超えると破綻する。
 
現実問題として、そうなってしまう事例があまりにも多い、という現実がある以上、最初から「コードは資産じゃない、負債だ。」と言うべき、という事になってしまう。
 
少なくとも最初は、「あらゆるコードは資産」だったはずだ。みんなが雑誌に書いてあるBASICプログラムをキーボードで入力していたような時代のことね。そしてそれ以降、私はその先入観のまま、ずっと「あらゆるコードは資産だ」と思って生きて来た。内心、(もしかしてこれは負債かも)と思いながらも、そういう不安を封印しながらでしか、前には進めなかった。それが長い年月を経て、今や「コードは資産じゃない、負債だ。」ときっぱり言い切られるほどに、時代は変わってしまった。
 
おそらく将来、これはソフトウェアに限った話ではなくなり、ありとあらゆる先端分野で似たような問題が深刻化していくことになるだろう・・・ これが20世紀的価値観の崩壊というやつか。
 
・・・(中略)・・・
 
で、話が飛躍するが、そういう考え方を突き詰めると、究極的には
 
「人生は資産じゃない、負債だ。」
 
みたいな思考に陥ってしまう危険があるのではないかなと。人生は資産なのか負債なのか。そういう風に考えること自体、間違っている気もするが、今や、そういう視点で整理してみる事が必要な時代になってしまった気もする。
 
「あらゆる人生は、無条件にすべて資産です。」と、きっぱり言い切れない世の中というのは、とても生きにくい世の中だなぁと思う。自分の人生は負債なのではないのか、安楽死したほうが良いのではないのか、と自問自答しながら生きなくてはならない人生は、辛すぎる。