chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

爺さんの病気について

 
アタマの中を整理するために書いておく。
かなり暗い話なので、閲覧注意。読まない事推奨。
 
 
(1) 爺さんから、「パーキンソン病という診断を受けた」という話を最初に聞いたのは、もうだいぶ前の話になる。正確には思い出せないが、私がまだ離婚してなかった頃のはずで、それはつまりブログをはてなに引っ越す前だから、もう7年以上前の話だ。 パーキンソン病という言葉で連想するのは、ホーキング博士電動車いすで人前に出てくる様子とかだった。(※後で調べた所、ホーキング博士パーキンソン病とは違うらしい)恐ろしい病気だとは、当時の自分は全く認識していなかった。当時は爺さんはまだ元気だったし、進行は遅いし、人にうつる訳でもないしね。それは爺さんも同じだったのだろう。「パーキンソン病は難病指定で医療費がタダになるんだ」とか言ってた。タダになる事を喜んでるようなレベルだった。アホだ。今考えれば、つくづくアホだ。
 
 
(2) 昨年末、いよいよパーキンソン病の病状が進行し、一人暮らしが困難になったが、介護レベルは「要支援1」で、介護施設に入る事は出来ない。本人が医者と相談した結果、入院させてもらえるという事になったそうで、3カ月ほど入院した。
 
 
(3) 3ヵ月経過して、一度退院し、また1人ぐらしを再開した。しかし、僅か1週間で、酷いケガを体中に負い、すぐ再入院。ケガの状態が悪い事に驚いた医師から電話があり、呼び出しを受けた。会社を休んで病院に行き、医師から説明を受けた。要点は2つ。
 
 ・もう1人暮らしは無理だ。1人暮らしは認められない。
 ・次の退院後、入所できる介護施設を探しておいてくれ。
 
こういう場合、普通に考えると、家族で介護しろとか言うのかと思ったが、それは医師は言わなかった。最初から施設を探すように言われた。
ケガは本当に酷い状態で、最初見た時、「もしかして、ヤクザの集団にでも囲まれて袋叩きにでも合ったのか?」と思わずに居られないレベルだった。しかし、片田舎で、そんなトラブルがあったらそれなりの騒ぎになるはずだが、そんな話は無いし、本人が言うには山に仕事に行って、転んだのだという。爺さんの畑は非常に急な斜面が多く、パーキンソン病で足が不自由なので、確かにあの急斜面で転んだら、そういう酷いケガになるのだろうと思った。
 
 
(4) 介護施設を探すよう医者から直々にミッションを承ってしまったので、やむをえずいくつか介護施設を回って、入れそうな所があるのかどうか調べた。その結果は以下。
 
 ・公的な補助のある安い所は、介護レベルが「要支援」では、長期入所は無理。
 ・高額な民間の施設なら、お金さえ出せば入所可能。
 ・施設によっては、医師から処方される薬の内容によって、入所をお断りされる場合がある。←ココ重要。
 
あれっ?と思った。爺さんがパーキンソン病だという話をした所で、「医師から処方されている薬の内容によっては、入所をお断りする」という話が施設側から出てきたからだ。その施設には常駐の医師もおり、目の前に大きな病院もあり、医療体制としては申し分無い介護施設なのである。にもかかわらず、本人の状態を見るまでも無く、処方されている薬の内容を見ただけで、入所をお断りする場合があるというのだ。
 
(5)ここで改めて、ネットでパーキンソン病について調べた。パーキンソン病で、介護施設の入所をお断りされる原因になるような薬が処方されるケースはあるのだろうか。また、そういう薬が実際に爺さんに処方されているのだろうか。
主なソースは、つきなみだがwikipedia。非常に詳しくかかれている。
パーキンソン病 --- wikipedia
これを読んで解った事の要点
 ・爺さんのパーキンソン病は、分類的には既にかなり状態の悪いレベルだという事。

 1度 一側性パーキンソニズム
 2度 両側性パーキンソニズム
 3度 軽度〜中等度のパーキンソニズム。姿勢反射障害あり。日常生活に介助不要
 4度 高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
 5度 介助なしにはベッド又は車椅子生活

 4度、ないし5度だ。介助なしに歩く事は可能ではあるが、すぐに転んで入院が必要になるほどのケガを負う状況を「歩行が可能」と言って良いのかどうかは微妙だろう。
 ・2011年現在、パーキンソン病に対する根本的な治療法はない。病気の進行を遅らせる治療法すら確立していない事
 ・ドパ、ドパミンの不足によってパーキンソン病の症状が出ていると考えられている事。治療法は、これを薬で補う対処療法が主。
 ・パーキンソン病は、高率に認知症を合併する。パーキンソン病患者を8年間追跡調査した研究では、78%が認知症を発症。爺さんも、遅かれ早かれ認知症になると想定しておいたほうが良い。
 ・爺さんの場合、まだジスキネアは出ていない。ウェアリング・オフ現象は出ているかもしれない。
 
 
(6) 爺さんの金銭トラブルの対応を弁護士に依頼しているのだが、その弁護士から、爺さんの医療記録を取り寄せるよう依頼されたので、病院から取り寄せて弁護士宛てに発送した。内容を見た所、爺さんが処方されている薬の内容が解った。
 ・ネオドパストン 100mg 3T 3XndE
 ・プルゼニド 12mg 3T 1XvdS
ちょっとググれば、「ネオドパストン」というのがパーキンソン病の薬である事が解る。次のような副作用があることを知った。

【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
悪性症候群(Syndrome malin)..体の強い硬直、じっとして動かない、ふるえ、意識がはっきりしない、発汗、高熱。
幻覚、錯乱..現実でない人や物が見えたり声が聞こえる、混乱状態、取り乱す。
抑うつ..憂うつ、気分がひどく落ち込む、やる気がでない、悲観的、不安感、不眠。
消化性潰瘍..胃痛、下血(血液便、黒いタール状の便)、吐血。
突発的睡眠..前兆なく突然に眠ってしまう。

【その他】
吐き気、食欲不振、便秘、口の乾き。
不随意運動..顔、口、舌、首、手足などが勝手に動く
不眠、眠気、不安感、気分の落ち込み
立ちくらみ、血圧低下、動悸
長期使用で効き目が落ちる、症状が不安定
はてなキーワードより。

ネオドパストンの主成分であるL-ドパは、「レナードの朝」という映画でも話の中心になっていた薬だ。改めて説明の必要もないだろうが、いわゆる麻薬というやつは、脳内でドパミンのような作用をする薬物全般の事だ。処方されているネオドパストンが麻薬に分類されているのかどうかはググっても出てこないが、体内でそのうちドパミンになるという事だから、「麻薬の一歩手前ぐらいのレベル」でヤバイ薬という事は間違いない。「病気で不足しているのを最低限補う」という医療行為として、やむを得ず認められているに過ぎない。
参考:「L-DOPAの摂取についての安全性についての質問」
 
 
(7) 今の爺さんの様子は、ケガも治って、退院したがっている。以前と同じように1人ぐらしを再開し、陽気も良くなったので畑仕事をしたがっているのだが、おそらく本人の希望通りにさせると、前回同様、1週間で酷いケガを負って病院に舞い戻ってくるに違いないので、当然医師は認めない。家族が責任もって介護するという条件付きでなら認めるということだが、自分の場合、仕事をしながらそれは無理だ。病院側も、それほど強く退院を強制するような様子でもない。
 
 
(8) 爺さんは退院を強く要望しているだけでなく、薬の増量も要望している。が、医師はそれに応じる気は全くないので、その事も不満らしい。すなわち、退院して1人暮らしが無理なら、薬を増量してくれる可能性のある病院へ転院したいと言い始めている。少し調べれば分かる事だが爺さんへの薬の処方内容は全く標準的な、教科書通りの内容であり、転院しても、普通の医者なら同じ判断をするはずだ。 
長期療養型の病院で希望する所があれば紹介状を書いてくれると病院側は言っているが、今の病院が家から一番近く、転院するとなると、どこも非常に遠い病院になってしまう。どうしてもその必要に差し迫る状況になるまでは、現状維持がベストのように見える。
 
(9) ここで注意しなければならないのは、なぜ爺さんが薬の増量を希望し始めたのかという事だ。爺さんが、「薬を増量すればとりあえず症状が改善する」という事を知っているのはなぜか。それほどしつこく言うからにはおそらく、単なる知識ではなく、実体験として、「薬を増量すれば一時的に病状が改善される」ということを経験しているのではないか。特にうるさく言いだしたのは、一度退院した後、ケガで再入院してからだ。
以下は想像で、証拠を押さえた訳ではないのだが、爺さんが一度退院して、1人暮らしを再開し始めた時に、医師から処方された薬を数回分纏めて飲むような無謀な事をしてしまった可能性があるのではないか。動きの悪い手足を以前のように動かすために、えいやっと飲んでしまった可能性というのは、いかにもありそうだ。薬の作用原理を考えると、薬の量を増やせば確かに一時的に手足は動くようになるのだろう。しかし、この薬は、そういう事をすると非常にヤバイ薬なのだ。手足が動くようになるだけでなく、麻薬のように止められなくなってしまい、一方では悪性の副作用が出る可能性が高くなる。つまり、あの酷いケガはその副作用が原因の1つだった可能性がある。だとすると、その様子を見た医師が慌てて親族を呼びつけ、1人ぐらし禁止令を出す理由も、なるほど納得できる。介護施設がこういう患者の受け入れを拒否する理由も納得だ。爺さんがあんなに酷いケガを負ったにもかかわらず、懲りずにまた1人ぐらしを再開したがる理由、病院が退院を強く言わない理由、親族による介護ではなく施設への入所を勧める理由、なぜこの病気の治療費がタダになるのか、etc.etc...
 
 
聞いてねぇよ。関わりたくもない。あぁ、困ったことだorz.