chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

あえて原子力を温存した方が経済的という考え方もある件

 
ネタ元:
東電 値上げ実施も3年連続赤字 --- NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130430/k10014286531000.html
 
売上高のの数字を言わずに、赤字額だけ言って、原発の必要性を匂わせるあたり、嫌な感じだね。
 
ちなみに売上高は、ちょっとググるとすぐ出てくる。
http://www.tepco.co.jp/ir/tool/kessan/pdf/1303gaiyou-j.pdf
売上高は5兆9762億円と解る。今回の赤字は値上げ前の分も含んでいる。値上げしても赤字とはいえ、最悪のケースを想定しても、さらに1割も値上げすれば、このレベルの赤字なら解消可能である事が解る。電気代の値上げは好ましい物ではないが、1割ぐらい消費者が負担したってなんとかなるだろ常識で考えて。 つまりこの赤字は、原発稼働の世論を誘導するために意図的に残された赤字なのではないか。下手に黒字にして、「原発無くてもやっていけるじゃん」となってしまっては困るのだ。
 
もっとも、1割の値上げで済むというのは、円安がこれ以上進行しないことと、原油・石炭・天然ガスの価格が大幅に値上がりしない事が前提。であるのに対して、実際は円安がまだまだ進むだろうし、地下資源の価格も値上がり傾向だから、そういうことも勘案して最悪ケースを想定するなら、さらに2割〜3割ぐらいの値上げが必要になる可能性がある。この先数十年の長期で見れば、さらに上がる可能性もある。
 
日本に地下資源の価格決定権が無いというのは恐ろしい事だな。
 
そこで、じゃあ原発を動かすか、という話なんだが、では今、焦って原発を稼働させるのがBestなのかというと、長期的なトレンドを踏まえて見ると、そうとも言えないんじゃないか。
 
原発のウランだって限りある資源であり、原油・石炭・天然ガスも、長期的には値上がり傾向。ここで、エネルギー量換算で最大量を備蓄可能なのは濃縮ウランだってことに注目してほしい。なにしろ、過去40年間に消費した使用済ウラン燃料の大半が現実に、厳重保管中なのであり、ということは、逆に言えばこの先40年分の濃縮ウランを備蓄しておくことだって物理的に可能ということだ。これは原油・石炭・天然ガスでは真似できない。
 
であるならば、ウラン燃料が高騰していない今のうちに備蓄して、将来に備えておき、原油・石炭・天然ガスが将来高騰したときに原発を稼働させれば、最も大きなコストメリットを享受できる。今原発を動かすより、原油・石炭・天然ガスがもっと高騰した後で動かした方が、価格差が大きい分、経済的なメリットが大きくなる。 今は原油・石炭・天然ガスに頼っていても少々の値上げでなんとかなるレベルなのだから、焦って原発を動かす必要はない。本当にどうしようもないレベルになるまで備蓄しておき、地下資源価格が上昇してから切り札として原発を動かした方がオトク、という考え方もあるのだ。 それまで、じっくり腰を据えて安全対策に取り組めばよい。