chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

戦後の日本と、これからの日本

 

 
フィルム撮影なので、色調が独特やね。
この映像にある日本と、今の日本で、決定的に変わってしまった事って何なんだろうなぁ。
 ・人々が当たり前に戦争経験者だってこと。
 ・今のエロ情報の氾濫とかも、世の中の雰囲気に地味に大きく影響している気はする。
 ・今の感覚からすると、まるで中国のように大量の人手を投入した生産ライン
 ・映像には出てこないが、農村の衰退も、地味に影響してるんだよな。当時、なぜ工場にあれだけの人手を投入してうまく回っていたのかと言えば、その工業生産品を農家が買っていたからだ。食料と工業製品が都市と農村間でうまく回っていた。しかし、農家に工業製品が行き渡ってしまうと、工業製品が売れなくなると同時に、農家の農産物の価格も下がり、両方が不景気になった。
 
つまり大事なのは、稼ぐだけじゃなくて、どういう風に世の中でお金を循環させるかという事な訳だ。何をいまさら当たり前の事を、という感じだが、値下げだとか値上げだとか消費税が云々、という目先の議論では、こういう観点が無い話が多すぎる。人々がより良い生活ができるようになるために、社会の中でどのように役割分担していくのかという、グランドデザインみたいなものは、やっぱり必要なのだ。職業選択の自由だけでうまく世の中が回る訳じゃない。
 
戦後日本の加工貿易、工業製品の輸出で外貨を稼ぐ、というやり方は、資源を安く輸入できることが前提だった。資源価格が高騰してしまうと、輸出価格との差額を稼ぐ事はどんどん難しくなる。人件費の安い国へ移転したとて、資源価格の高騰は抑えられない。
 
目下の貿易赤字は、長期的には円安を招く。貿易赤字といっても、円が流出する訳ではない。日本が持っている外貨が減って行くだけだ。国内の外貨が不足気味になり、相対的に外貨が上がり、円が下がる。円安によって、国内の原材料の価格はさらに上がる。市民生活は厳しくなる一方だ。
 
生まれた時から円高しか経験してこなかった世代には面白くないだろうな。上記の映像は、1ドル360円の固定相場だった時代。ちょっとした海外旅行にも、国内の金銭感覚比で今の3倍以上のお金がかかった。もし、貿易赤字がいつまでも続くようなら、そういう時代に逆戻りすることになる。
 
物理的に資源が無い以上、それを入手し続けるために、外貨を獲得し続けなければならない。しかし、昔の様に工業製品で稼ぐ事も出来ず、ITで外貨を稼ぐ事もできず、農産物にも国際競争力は無いし、はてさてどうしたものやら。 
 
輸入資源への依存度を下げて、資源はリサイクル、エネルギーは原発の比率を上げて、国内でお金を回せるようにするというのは1つの解になりえる。従来、輸入資源への依存度が高かったのは、それが安かった事も1つの理由なのだから、その前提条件が覆れば、その影響は根本的な所から多岐に渡る事になる。資源価格の高騰が収まる気配が無いなら、国内の鉱山や炭鉱が復活する可能性も出てくる。
 
問題は、そういう後ろ向きな変化に、今の日本人がついていけるかって事だよな。今さら炭鉱で働くぐらいなら生活保護を貰った方がまし、みたいな人が増えすぎてしまったら、やがて破綻は免れない。そうでなくても、大震災などの破綻の危険は常にある訳で、最悪でも大きな災害と金融の混乱が一度に来る事だけは避けたいよな。