chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

もし、車や家電製品の耐用年数が100年だったら

 
ネタ元:
リオ会議でもっとも衝撃的なスピーチ:ムヒカ大統領のスピーチ (日本語版)
http://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/
 
資源問題ネタ派生。

西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?

 
現状の技術水準では、不可能、と答えるしかない。
 
白物家電5品目の世界需要調査
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/info/news/pdf/juyo_gaiyo.pdf
 
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、エアコン、それぞれ、年間5000万台から9000万台ほども世界で生産されていることが解る。しかし、これらの耐用年数がせいぜい10年程度だとすると、世界で稼働している数は1年間の生産数量の10倍程度、5億台から9億台ということだ。これでは途上国の人々に行き渡らせる事は不可能だ。
 
普通に考えると、生産量をさらに10倍にすれば、世界中に行き渡らせることが可能という計算になる。しかし、それでは資源が足りなくなる。
 
では、耐用年数が10倍になったらどうなるだろう。白物家電が、どれも普通に100年使えるようになったら、中古品が世界を流通して、100年後にはアフリカの果てまで世界中に行き渡らせられる可能性が出てくる。
 
100年の使用に耐える家電製品なんていうのは、今の所は存在しない。そもそも、家電製品の歴史が、今とほぼ同様の形になってから、数十年しか経ってない。今までは、機能強化や省エネという事の方が優先度が高くて、長寿命化という事には最低限の研究コストしかかけられてなかった。
 
身の周りにあって、耐用年数の長いものといえば、先ず家だな。
ちょうどこんな話題
 
日本の家は何故「使い捨て」か?
http://togetter.com/li/647511
 

建築物の平均耐用年数:UK141年、US103年、フランス85年、ドイツ79年、日本26年

 
日本の26年というのは実感として短すぎる気はする。業務用のプレハブ建築のようなものまで計算に入っているのかも。まぁ、それは置いといて、これから解るのは、100年持つ家というのは、その気になれば可能なんだなという事。
 
今まで長寿命化について十分な研究がなされてこなかったから寿命が伸びなかったのだとすれば、それについて研究すればいい話。問題は、従来、それを行うに当たっての経済的なメリットが企業側に無かったということだ。では、その状況は、この先変わってくるだろうか?
 
ほっといたんじゃ変わらないね。ユーザー側が、「100年使える家電製品が欲しい!」というニーズを挙げなければ、それに応えるメーカーは現れない。ユーザーはユーザーで、今まで、「古くなったら捨てて買い替え」という消費行動が当たり前になりすぎてきたと思う。壊れてなくても、古くなったら捨ててしまうのだとすれば、長寿命化の意味は無い。せめて、中古市場に放出してくれればいいのだが・・・
 
!・・・そうだった、大型の家電製品は輸送コストがかかるので、不要な家電製品を輸送コストのみで途上国に持っていくにしても、その輸送コストが問題になるんだな。しかも、これから燃料費が高騰するから、輸送費の問題は、さらに厳しくなる。
 
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と、腰折れになってしまったけども、身の周りのいろんなものが、「もし、100年使える耐久性があったら、世の中はどう変わるだろう?」と考えてみるのはおもしろい。地味だけれども、今後、資源問題が深刻化するにつれて、クローズアップされてくるテーマに違いないと予想。
 
 
一度つぶして、原料としてリサイクルすれば良いじゃんというのは、エネルギーコストが安かった時代の話。そのまま使えるなら、そのまま中古品として流通させて使った方が経済的という場面は、長期的にはさらに増えると思う。新品の方が省エネですよ、と言われても、新品を作るのに要するエネルギーと比べてどうか、となったとき、買い替え前の省エネ水準が一定以上のレベルに達していたならば、必ずしも優位かどうか解らない話になってくる。
 
 
太陽電池はエネルギー収支比EROEIが2ぐらいしか無いので、世の中の主流のエネルギー源には成り得ない、という話があるが、これは太陽電池の寿命を20年以下と考えた場合の話。もし、太陽電池の耐用年数が100年以上あるなら、なんとかEROEIが10ぐらいになり、規模拡大の可能性が出てくる。目下の太陽電池の最大のテーマは、コストダウンではなく長寿命化なのではないだろうか。原材料とエネルギーコストを1/5にすることは難しいが、同じ原材料とエネルギーコストで寿命を5倍にできる可能性はある。