chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

加熱工程の無い基板って何ぞ

 
ネタ元:
世界初!“完全自動化製造”のビデオカードASUSから登場
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20150627_709141.html
 
完全自動化は、金さえかければ出来る話なんで、そんなに驚かない。驚いたのは「加熱工程を排除」って所。はんだ付けできないじゃん。
 
はんだづけの代わりに利用できそうなものといえば、導電性接着剤。
http://product.tdk.com/capacitor/mlcc/ja/faq/faq00034.html
 
これ自体は結構前からあるらしく、使用条件によっては半田よりも高信頼が期待できる。
問題はコスト。ふつう、半田の主成分はスズだが、導電性接着剤は銀。上記の事例でも銀を使ってるんだろか。もしくは、銀を使わずに大幅にコストダウンできるブレークスルーでもあったんだろうか。
高級品のGPUボードという事なら、贅沢に銀を使うという選択肢もありだな。それが許容されるのならば、導電性接着剤のメリットとして考えられる事は:
 
・加熱に伴う基板のソリの問題から解放される。
・基板のソリに起因する不良から解放される。
・導電性接着剤の長所であるところの熱応力耐久性向上。
・生産工程に加熱工程が無いことによる省エネ、労災リスクの低減
・実装前のベーキング処理が不要になる
・フラックスに起因するコネクタの接触不良対策になる
・etc
 
冷静に考えると、かなりメリット多いんだよな。それと、贅沢に銀を使うムダとを天秤にかけた時に、「銀を使っちゃえ」っていう判断は、確かにアリなのかもな。
 
昔は、こういう実装技術の革新ていうのは、ソニーやなんかが先頭を走ってたんだよ。それが、今や見る影もなく、しょうがないので台湾で自前でやりだしたってことなんだよな。この動きに日本のメーカーが追随しないとしたら、その時は本当に終わるな。