chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

アイドルグループ乱立の件、続き

オタ芸打ってる人達って、昔は、ただがむしゃらなだけの若者っていう感じだったのが、今は人種が違うのな。
 
今、この手のマイナーアイドルグループを熱心に応援しているオッサン達って、どういう人たちなんだろうとしばらく考えていたんだが、実際に会場に行ってみて、特にいい歳こいてオタ芸やってるオッサン達の様子を見ていて気が付いたのは、「あれ、このオッサンたち、実は楽器できるんじゃね? 昔バンドとかやってたんじゃね?」ということだ。
 
そう考えると、いろいろ腑に落ちる。
 
・オタ芸のかけ声が、定番も色々ありつつ、案外レベルが高い。
 前奏・Aメロ・Bメロ・サビ、間奏〜というような楽曲の構造に合わせて、的確な合いの手を入れている。それも複数人で。となると、行き当たりばったりではなく、事前の検討・打ち合わせが必要な訳だ。しかし、マイナーなグループの楽曲だと、CDにもなってないような曲ってある訳よ。当然楽譜も売られてない。にもかかわらず、複数人で打ち合わせて、そういう事ができるという事は、聞き覚えでざくっと曲の構造を紙に書き出すぐらいの事が普通にできるスキルはあるという事だ。これは「学校の授業で音楽を習っただけ」の人達ではない気がする。趣味で音楽をやっている人、やっていた人たちである可能性が高い。
 
・1970年代から、アイドルの追っかけをしていた人というのは居たが。
 昔はそういうのをやるのは、若者と決まっていた訳だ。当時の若者は、今はいいオッサンになったが、彼らが今もオタ芸を打っているというケースもあるだろう。ただ、「ただアイドルが好きでおっかけしていた人」っていうのは、メジャー志向だと思うんだよな。地下アイドルグループよりは、今はもうメジャーになったAKBとかを支援している層だ。彼らには無名のマイナーグループを応援する動機が無い。
 
・昔、バンドブームというのがあった。
 「三宅裕司いかすバンド天国」(略称:イカ天)があったあのが 1989年〜1990年。あの当時、バンドをやって音楽を志した人たちは、今はもういいオッサンになっていて、今、ぱっと見は、ただのオッサンである。
 バンドやってた人たちというのは、音楽とか、ライブハウスの事に一般人より詳しい。なにより、舞台に立つマイナーグループの心境を良く理解している。かつての自分たちがそうだったから。客席から掛け声をかけてもらえる事の有り難さ・嬉しさを理解しているし、観客を集める事の難しさ、活動資金を得る事の難しさを実体験している。だからこそ、ライブ会場へ行って安くは無い入場料を払い、人目をはばからずにマイナーなアイドルグループにオタ芸を打つことができるのではないか。
 
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そうやって考えると、色々なカギがうまく組み合わさって、今の状況ができあがりつつあるんだなと気が付く。
 
(1) アイドルグループの父兄は、かつて1970〜1890年代のアイドル全盛期を見ながら育った世代なので、子供がそういう事にチャレンジする事に対して寛容だったり、むしろ積極的だったりする。
(2) 上記のように、かつてバンドブームで鍛えられた人たちが、マイナーアイドルグループを熱心に支援する層のコアになっている。
(3) ボカロブームがやや下火になりつつあるが、ボカロによってオリジナル曲の楽曲提供ができる人たちが大量供給された。彼らは仕事を欲しがっている。
(4) 踊ってみたカテゴリの成熟。
(5) AKBの成功事例。
 
こういう状況を上手くパズルのように組み合わせていった結果、大きな流れとして、今の状況ができつつある訳だな。この中で、案外キモなのが、(2)の「かつてバンドをやっていたオッサン層」なんじゃないのかという気がしてくる。駆け出しのマイナーグループが、観客を集められずに「ショボーン」な状態でそのまま消えていってしまうばかりでは、それ以外の状況がいくら整っても、シーンは盛り上がらない。(2)のオッサン層が、お金も使い、上手に盛り上げてもくれるからこそ、精神的にも金銭的にも、マイナーアイドルグループの持続的な活動が可能になる訳だな。形は違えど、かつての自分たちの失敗が、今の糧になっているわけだ。