chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

損失補てん反対!

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/18/news061.html
 
もうね、アホかと。バカかと。
行政も行政だが、振り回される方も振り回される方だし、それを鵜呑みにするユーザーもこれまたしかり。
これが先進国日本で電気製品を扱っている連中の実態なのか。
まともな技術者がうつ病になるのもしょうがないってもんだ。
 
ざっくりまとめておくと。
 
【フラグ1:規制緩和
規制緩和が叫ばれた時期があったよね。
そのとき、従来の「電気用品取締法」の「取締り」ってのが気分悪いってことで、
電気用品安全法」と名前を変えた。
変わったのはほぼ名前と許認可手続きの流れだけで、技術的な中身はほとんど同じ。
これで規制緩和だっつってたんだから、御目出度い話だよな。
あーあほくさ。
 
【フラグ2:民営化】
民営化の掛け声の下、郵便局が民営化されるね。
ここで、電気用品取締法の認定マークに、郵便局と同じ〒マークを使い続けるのはいかがなものかという話に、そりゃなるわな。
それで、〒マークをPSEというマークに変えた。
 
ちなみに、電気用品取締法で〒マークがなぜ使われるようになったかと言うと、郵政省とか通産省よりもっと大昔、いっしょくたに「逓信省」と言われていた時代に、テイシンの頭文字のカタカナ「テ」を図案化したのが郵便局マークで、同じ省だったので電気製品の認定マークにも使われたのが経緯らしい。

しかし、それにしてもだね、日本中の電気製品メーカーが長年使ってきた〒マークを全部期限内に書き換えろというんだ。この金型変更や版代だけでもそうとうなもんだったんだ。
これも見た目だけの話で、技術的な中身は全く関係ない。
あーあほくさ。
 
【フラグ3:で、今回の混乱】
技術的な中身はほとんど変わってないんだから、郵便局が民営化されて〒マークが商標になるから使ってくれるなというなら、その上にPSEラベルを上張りするぐらいはまぁ、しょうがないかなとは思える。
ただそこで、「なんでもかんでも上張りして本当に良いの?」という心配をするやつも、居るんだろう。それはそうかもしれない。この話だけ聞くと、技術的な中身のわからん人は、確かに中国産の表示の上に国産ラベルを上張りしてるみたいなことと同類なんじゃないかと疑心暗鬼になるよな。
 
でも、繰り返すが、技術的な中身はほとんど同じ。これをもっと声高に言うべきだった。でも、お役人はそれを言わなかった。なぜって?見せ掛けだけの変更で、中身を変えてないのに大仕事をしたようなフリをしていた人が困っちゃうからね。この点は、100%行政が悪い。
  
で、誰が思いついたのか知らないが「絶縁耐圧試験ぐらいやっとけば?」という事が決められてしまった。
知ってる人に言わせれば、これって本当に「おまじない」みたいな試験なのよ。雨ざらしにでもなってない限りは落ちることは無いし、めっちゃ簡単な試験。ついでに言うと、粗大ゴミだった雨ざらしの家電製品が中古業者に持ち込まれる可能性があることを考えれば、認定マーク云々にかかわらず中古業者の扱う家電製品で商用電源を使う物全てに対して絶縁耐圧試験を義務づけてもおかしくないぐらいのものだ。1000Vかけると言っても、試験機にはちゃんと安全機構が付いているから万一感電しても死んだりはしない。
 
でも、知らない人には何だかたいそう難しい試験に聞こえる。政治家も行政も民間業者もユーザーも、みんなその「実態のよくわからない難しそうな何か」に振り回されるだけ振り回されて、その実、何も勉強しなかった。そのツケが今ここに来たのである。
 
なにがIT、インフォメーションテクノロジーの時代だよ。
リンク先の記事だって、今に至ってまだこの超カンタンな試験の中身をきちんと確認もせず風説をもとに書いてしまっている。アホ!ボケ!カス!
 
「行政の不手際で大きな損害を被った」という中古業者の話にも、全く同情できない。彼らは、メーカーがいかに神経をすり減らして製品安全に万全を尽くしてきたか、ということを何も知らずに、今まで商売してきたという恥をさらしているだけだ。こんなカンタンな試験が出来ないなんて文句をいうのは、はなから真面目に商売をする気が無いとしか思えない。(泣)そんなことではどう転んだって店は早晩つぶれる。そんな店の損失補填なんてステ金ここに極まれりだ。100歩譲っても出張講習で無料で手取り足取り教えます、ぐらいが妥当なんじゃないだろうか。
 
これが例えば中古車販売の業界だったら、中古車の車検や整備点検のために、業者がどれだけ手間をかけているかという話と比べてみてもくれたまえ。