chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

考えれば考えるほど、ニコニコ動画はアマチュア音楽家待望のサービス

 
マチュアで音楽活動している人が作品をニコ動にUPして、たくさんの人に聞いてもらえることを喜んでいる記事を散見するようになりました。今まで趣味で音楽活動していた人が、ニコ動でどんな恩恵を受けるか、ちょっと考えてみた。
 
[ニコニコ動画サービスができる以前]
以前は、趣味で音楽制作しても、発表する場所が非常に限られるか、ほとんど無かったよな。
例:学校の文化祭、コンテスト系への出場or投稿、自主的にライブを企画するetc.
学校の文化祭や地方のイベント等:とにかく回数が限られる。楽しいけど、ほとんど本番一発で、慣れてもないから、客観的にみると残念な結果になりがち。
コンテスト系:ライブでやるものはそれなりに面白いけど、やっぱりチャンスが少なすぎる。録音投稿系は審査員からつまらない批評がかえってくるだけという場合も。
自主的なライブ:何から何まで大変すぎる。普通の人にとっては「趣味」の範疇を超えている。
自主的なCD:ライブと同じ。場所と日時が限定されない分はましだけど。
インターネットが普及してかなり改善されたけど、イマイチだった。そこでニコニコが何を実現したか。

[ニコニコ動画サービスの登場で]
・タイミングの良いコメント。これ重要。アマチュアの作品はいかんせん、すべてがパーフェクトというわけにはいかない。そこで「ここはNG」「ここは良い」というコメントが、適切なタイミングで入るということは非常に重要な意味をもつ。ニコニコの字幕サービスが出る前は、褒められるにせよけなされるにせよ、どこの何のことを言われているのか意味不明なことのほうがむしろ普通だった。そこで多くの人が伸び悩んでしまっていた。この問題はニコ動でかなり改善されると期待している。
・上手い人から下手な人までいろいろな人の作品を聴ける。そしてそれぞれにどのような反応が返ってきているのかも見える。今までは、他人の作品に具体的にどのような反応があるのかということを部外者が把握するのは難しかったけど、ニコニコならまさに一目瞭然。こういうものにたくさん接すると、音楽制作のとき、リスナーの反応を予想しながら制作することが容易にできるようになってくる。その結果、独りよがりなイタイ作品を卒業してレベルアップすることができるはずだ。
・マイペースで投稿できる。 社会人になると、音楽制作のためのまとまった時間を確保するのが難しくなるから、一度にたくさんの曲を用意しなくてはならないイベント系は非常に敷居が高い。自分のホームページでの公開だと、定期的にUPしていかないとお客さんが離れていくので、やはり完全なマイペースというわけにもいかない。ニコニコなら「最新投稿順」とかで並べ替えてチェックしてくれる人が一定数いるので、不定期な投稿でも100人ぐらいには短時間で聞いてもらうことができる。
  
で、これが今後成熟していくと、音楽流通のあり方自体が、将来根本から覆される可能性はやっぱりあるぞと。
 
今まで、常にアマチュアはプロより格下の存在だった。それは一つには、本人の才能以外にも、プロがプロたりえたる周囲環境というのが、プロの周囲でしか整わない、ということも要因だったと思うんだ。スタジオ機材のようなハードの問題だけではなく、たとえば、「ここのここがこうまずいからこうした方がいい」というような適切なアドバイスを、アマチュアのミュージシャンがもらうことがどれだけ困難だったか。でも、その状況はニコニコ動画で変わりはじめている。
 
プロになるためには、その条件として「いかに短時間でたくさんの優良な音楽作品を生み出せるか」ということが事実上の重要なパラメータだった。ゆっくりじっくり納得いくまでたった1つの作品に時間を裂くことができるプロのミュージシャンというのはレアな存在。そんなことしても、メシが食えないからだ。
 
アマチュアミュージシャンは、そもそもそれでメシを食うことを前提としてないから、1つの作品に3年かけてもかまわない。アマチュアミュージシャンを育てる環境さえ整えば、そして作品数がすくなくてよいなら、プロに負けないクオリティーのものを作ることは可能な時代になった。アマチュアミュージシャン1人あたりの作品数が少なくても、音楽を楽しむリスナーからすれば、星の数ほどのアマチュアミュージシャンが居るのだから、全体としてプロが作る音楽しか流通しない世の中よりずっと豊かになるのだ。