chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

越境現象においてメイド喫茶が果たす役割

コミケメイド喫茶めぐりを終えて無事帰ってきました。帰り途中で考えたことメモ。
ちょっと鬱病が良くなって10年ぶりにちょっと秋葉原を散策したぐらいでメイド喫茶を語るなんざ3年早いと言われそうですが俺の日記だ書きたいことは書く。
 
ちょっと前に話題になったこちらの一連のエントリー
アニメとファッションとクラブが融合したイベント「DENPA(電刃)」
自分語り133 - DENPA!!! 「超ライトオタク」 言説
 
一方、ブームは終わったなどとも報道されるメイドカフェ
「メイド喫茶」ブーム終わった 経営悪化で生き残りの道探る--- J-CAST
 
秋葉原メイドカフェに関係している人たちと、上のDENPAに関係している人たちがどれぐらいダブっているのか、それとも全く別のクラスタなのかは解らないのですが、少なくとも言えるのは、起こっている現象の下地となるものはDENPAもメイドカフェもいっしょなんじゃないか?ということです。すなわち、DENPAもメイドカフェも、アパレル系の子とオタク系の子が、いっしょになって場を盛り上げているという共通点があるのは注目すべきポイントです。
 
メイドカフェにもいろいろあって、確かに一部には「なんでもいいからひと儲けしてやろう」という下心が見え見えな店も無くはないですが、けしてそれは主流でも本流でもない、と解ったことは自分にとって大きな収穫でした。
 
まずメイド喫茶でメイド服を着て仕事をしている女の子達は、明らかにアキバ系ではありません。上の分類でどちらかに分けるならアパレル系の子たち。アパレル系の子たちがオタク系の子たちを相手に商売しているの図。これを単に1つの商売として見るなら、それで話は終わってしまうんですが、実際はそんな単純な話ではないのです。ペースはゆっくりではあるけれども、豊かな人と人との交流が育まれている場所なのだということ、当然のことなのですが、実際にメイドカフェをたくさん回ってみてそれを実感しました。
 お店を周ってみて面白いと思ったことの1つは、これだけの数の店があると、その中で似たようなタイプの女の子どうしが同じ店に偏る傾向があるということです。いわゆる類は友を呼ぶというやつ。これだけお店があれば、つまらないことで揉めるような人間関係のメイド喫茶に我慢して長居する必要は全然なくて、他のもっと居心地の良いメイド喫茶を探して移るということができる訳です。時間を経るにつれて、だんだんそういう最適化が進んで、メイド喫茶の職場をベースとしつつ、何かをきっかけにメイドさん仲間同士で盛り上がって行動を起こしやすい土壌ができつつあるんだろうと感じました。
 
次にお客さん。以前なら、秋葉にオタクは大勢居れど、オタク同士がリアルに交流する場所ってほとんどなかったのですよ。しいて言えば大学ならサークルなどでそういう交流があったでしょうが、就職すると事実上分断されてしまっていたのです。(大昔なら飲み屋がその役割を果たしていたが、オタクは自発的には飲み屋に行きたがらない)。
そこにオタクも気軽に入れるメイド喫茶がたくさんできたことで、こういう男たちがたまたま同じメイド喫茶の常連になって、たまたま話が盛り上がったりすると、新しいリアルなネットワークがそこで生まれてくるわけです。さらに、アパレル系の女子の秋葉流入につられて、アパレル系男子も秋葉に流入してきました。以前なら渋谷や原宿でしか見かけなかったようなおしゃれな男の子を秋葉原メイド喫茶でも見かけます。共通の話のネタとしてはニコニコ動画コミケやコスプレイベント等は話のネタにしやすい。こういう本当に草の根レベル的な、リアルな交流による化学反応が起こりうる場所として、メイドカフェが機能し始めています。
 
そして一方では、お客さんと店員の間の最後の壁をも脅かす、いまや3日間で延べ50万人を集めるという巨大イベント「コミケ」。
 
コミケのもともとの中心的な層というのは、当初はアパレル系ともアキバ系とも違っていただろうと思うのですが、今では2つにまたがっている人も大勢居ます。コミケ&アパレル系のコスプレイヤーコミケ&秋葉系のゲームオタクetc. そういう人たちが一緒になって、お祭り的に交流できるコミケ
 
最後はまだうまく纏められませんが、なんかこう、いままでバラバラだったパズルのピースが、うまい具合にはまって、何かが始まろうとしているんだなと感じます。イベントだけでは難しかったこと、日常だけでは難しかったこと、ネットだけでは難しかったことが、全部かみあって初めてうまく回りだした何かがある。メイドカフェはその潤滑剤として重要な役割を果たしているように思います。そうでなければ、ブームが去ったとも言われる現在でさえ20数店舗ものお店がそれぞれ大勢の女性スタッフをかかえて今も元気に営業できている、その理由の説明がつかないと思うのです。