chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

たぶん、国内政策だけでデフレ解消するのは無理

 
こんな論調ばっかりみかけるんだけど、どっちの意見にしても、どうもピンと来ないんだよなぁ。
[ポーゼン]デフレーション日本銀行 --- Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20091119#p1
 
というのも、デフレの原因の一つには、明らかに中国の人民元安政策があると思うから。これは国内政策だけでは、いくらじたばたしても、どうしようもない。なんでこの点をだれも指摘しないんだろう? 当たり前すぎて解り切っちゃってるからか?
 
人民元が、米ドルや円に対して今の3倍ぐらいに上がってくれれば、放っておいてもインフレになる。なぜならあまりにも多くの日用品が中国製品になってしまっているので、人民元が3倍にもなったら流通コスト削減ではとても対応できず、販売価格に転嫁せざるをえなくなるので、結果的に物価上昇→インフレにならざるをえない。
 
とはいえ、千円ジーンズが3倍になったって三千円なわけで、それでもまだまだ十分安い。国内の地方の製造業が息を吹き返すためには、5倍ぐらいになってもらってもかまわない。最低価格のジーンズが1本五千円。5万円だった中国製パソコンが25万円になる。ここまで元高になってくれたら、国産の産業も息を吹き返して雇用が増え、中国向けの輸出も増え、失業率が下がり、景気も回復するはずだ。
 
しかしこんな大幅な元高になれば、ローテクな産業は中国よりも安く製造できる国にどんどん脱出するだろう。すでに衣料品はベトナムその他への移転の動きがあるともいうし、そうなると、そういう発展途上国が一通り全部発展し終えるまでは、日本のデフレ圧力は解消されないということになる。・・・ということは、あらゆる発展途上国の発展をどんどん手助けして、あらゆる国の通貨を相対的に今より強いものにすることが、最終的には、回り回って国内経済の活性化に結びつくはず、という理屈になる。。この方が、直感的には正しいと感じるんだよな。ただし、これには数十年単位での時間が必要。気の長い話すぎる。
 
手っ取り早くは、円安誘導すれば相対的に元高になって国内物価は上昇傾向にならざるをえないだろうから、インフレ誘導というよりは円安誘導するような政策を日銀が取るという話の方が国内の景気対策には現実的に見える。どんどん米ドルを買ってどんどん円を売りまくるとか。しかしこれにも障壁があって、アメリカはむしろ米国内の産業のためにドル安を望んでいるんじゃないか、という話があって、これはつまり日本が円安を望むのと同じ理由w。
 
となるとここでもやっぱり、米ドルと中国の人民元為替相場が問題になる。人民元は2008年7月からドル・人民元の為替レートを6.83人民元に固定させるペッグ制になっているらしい。まだまだ中国政府の管理下にあり、不自然な状態になっている。これはアメリカにとっても困った話のはずだ。アメリカから中国への輸出がさっぱり促進されない。この点、アメリカも日本も利害が一致しているから、協力し合って中国政府に働きかけて、人民元為替相場をなんとかしないとダメなんじゃなかろうかやっぱり。
 
ということは?
将来、人民元が高くなるしかないのだとしたら、いまのうちに人民元で預金しとくといいかも、ってか。

関連
中国中銀、ドルペッグ制の廃止を示唆-人民元の上昇再開か --- 2009年11月12日 09:59 更新 IBTimesFX
http://jp.ibtimes.com/article/fx/20091112/44236.html