chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

個人貯蓄が消費に回らない理由

話は変わって、政策を打てども打てども個人貯蓄に回ってしまう、ということの原因として、個人的にぱっと思い当たる原因は次の3つ。一般的にはどう見られているんだろう。
 
(1)失業したときの備え
(2)巨大地震への備え
(3)老後の備え
 
(1)失業したときの備え
「失業したときの備え」としての行政側のサービスとしては「失業保険」というのがある。けれども、これが労働者が安心できるレベルに達していない。だからなるべく貯蓄する。この問題がまず1つ。でも、失業保険を強化するような話は聞こえてこないねぇ。
 
(2)巨大地震への備え
例えば阪神大震災の時など、政府や行政は、震災の被害で失われた個人資産を直接補填するような財政出動はしない、という立場を貫いたわけだけど(見舞金などを別として)、これはつまり、大震災にむけた備えは自己責任でやれ、という事をこの非常事態に際して冷酷に言い放ったわけだ。確かに一見合理性があるんだが、これは日本人全体の消費マインドを冷え込ませる大きな原因になったと思う。自己責任でやれと言われれば、自己責任でやるしかないから、自己責任でやりますよ。その結果がたまる一方の個人貯蓄ですよ。それに苦しめられてずるずる何兆円も赤字国債とか、頭悪いよね。阪神大震災の被害はWikipediaによると10兆円なんですよね。つまりその被害を、もしまるまる政府が肩代わりしたって10兆円だった訳。もし阪神大震災の時に政府がそういう対応を取っていたら、単に阪神の経済復興が早まったと言うだけじゃなくて、日本全体が震災を警戒した過剰な貯蓄に走るというようなことにはならなかったはずなんだ。 
 
(3)老後の備え
昔は、3世代同居などで老人の面倒を家族で見ていた。これが核家族化が進んで息子や娘に老後の面倒を見てもらうと言うことがだんだん一般的ではなくなりつつある。子どもが無い老人も今後増える。他人様に面倒を見てもらおうと思ったら、何をおいても金がかかる。健康な間は年金でやりくりできても、寝たきりになったりしたらもう無理。これも貯蓄にこだわる理由のひとつになっている。
 
 
あと、「政府・行政に対する信用不安」というのもあるかもしれない。もっとも、本気で疑ってたら円以外の通貨にするだろうから、そこまでは行ってないということで、今のところは大きな問題じゃないんだろう。