・公権力とお金には密接な関係があるという話の延長線上で、ネットの最も本質的な重要性というのは、その「公権力」のあり方自体に、大きな影響力を持ちうる、という所なんだろうな、と気がついた。
・目に見える公権力(警察や裁判所など)と、いわゆる「民意」というような形での「見えない公権力」との乖離は、これからもどんどん広がるだろう。これをもっとも解りやすく体現しているのが「ひろゆき」。ひろゆきが裁判に負けてもなおマスメディア上で活躍出来る理由は「見えない公権力」に支えられているからに他ならない。
それを押さえ込む方法の一つが、いわゆる「ネット上の言論統制」だろうけれども、今の日本ではもうそれを完全には押さえ込めないと思う。その結果、いわゆる「議会制民主主義」みたいなもののあり方まで根本から問い直さざるをえない時というのは、実は既に来ているのかもしれない。実際にそれが動き出すにはこの先数十年かかるだろうけど。
デフレ対策の話 なんども書いてるけど改めて自分の考えを整理:
・現状のデフレは、今の所は経済学者が騒ぐほど大きな問題じゃない。それより怖いのは、資源価格の高騰によってコントロール不能なコストアップインフレが起こること。で、その兆候は既にある。この期に及んでデフレの心配してる奴は馬鹿。
・政府の国債も、長期的に見ればインフレ要因だけど、とりあえず無視することはできる。この先50年ぐらいまでを視野に入れて考えるなら、既にヤバイ状況なので、インフレに対する備えが必要なことには変りない。景気が良くなれば国債の問題は解消出来るなんて脳天気なことを言ってるやつが居るが、1980年代のバブル景気に相当する好景気がこの先50年続いたって国債残高をゼロにすることは不可能。つまり好景気で国債残高をゼロにすることは不可能。一方、個人の貯蓄は老人がこの先食いつぶすフェーズに入る。最終手段としては、政府はデフォルトよりはインフレで国債を実質目減りさせる道を選ぶ可能性が高い。
・つまり資源高騰と財政悪化のダブルパンチによるインフレで、将来の日本経済が非常にヤバイ状況になる可能性は、想定範囲内として考えておかなくてはならない。
・マクロ政策としては、日銀で出来ること以外にも、政策側に色々あるはずだと思うのに、日銀ばかり悪くいう人が多いのには全く賛同できない。
・1つは、大震災後に個人や会社が復興するための支援が、「融資」という形でしか行われないという問題。日本は地震大国なのだから、「地震が起きても安心」という国づくりが必要なはずだ。それが出来ていない事が、個人貯蓄が過剰になる原因の1つ=不景気の原因の1つになっているのではないかと思う。「不動産を購入した次の日に万一、大震災でビルが壊れたら、借金だけが残る」なんていう悲劇が起きないような体制を国として整えるべき。
具体的には不動産を所有する人に地震保険を義務付けて、耐震性の低い建築物には高い保険金、耐震性の高い建築物なら安い保険金、というような形でバランスを取るということは最低限必要だ。次の大震災が起きてからでは間に合わない。
・老人に個人資産が偏っているという問題は、老人と若者の間のコミュニケーションの断絶がその背景にあるということを皆で認識すべき。コミュニケーション不足が無用な不安を産み、過剰な貯蓄の原因になっているという面はあるだろう。コミュニケーションが無い所でお金がやりとりされることも有り得ない。
・独居老人の問題。自分も将来、独居老人になることがほぼ確定している訳だけど、ぽっくり死んで誰にも発見されず腐敗して部屋に匂いがついて不動産価値が下がって大家さんに迷惑をかける、なんていう結果になるのは全然本意じゃない。可能な限り避けたい。だけどこれ、放置しておいて日本中あちこちでそんな事が起こり始めたら(現に既にそうなりつつあるのだけど)それによる不動産価値の下落がGDPに及ぼす悪影響ってたぶん無視できないはずなのね。だって老人の数十%が独居老人という時代が、このまま行けば必ず来て、最終的には必ず死ぬんだぜ。普通は病院で死ぬにしても、その一部でも不動産価値下落の原因になるような事になったら、国家レベルではすごい損失だよ。
で、これも急にどうこうするって言っても難しいから、今のうちに、今のうちから、対策が必要だと思うんだ。