chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

高速通信インフラで何をするのか

 
ソフトバンク 孫社長光の道構想の話ね。
 
引き合いに出されて辛いのが、NTTの光ファイバ事業が結局うまく行ってないじゃないか、という話。かく言う私も、NTTのFTTHは、まだ利用していない。なぜかというと、高速回線を有効利用する以前に、サーバー側のサービスが低速回線向けに最適化されてしまっているために、FTTHのメリットを享受できないケースが多すぎるからだ。例えばニコ動にしたって、混雑するとプレミアムに入っていても動画再生できないことがある。深夜のニコ生枠はいつも定員満杯で500人から多いときは2000人も順番待ちが出る。いつも満杯のせいで来なくなる人も多かろうから、潜在的なピーク需要はもっとあるはずだ。やりたい事ができないんじゃ、通信だけ高速でも意味がない。
ニコ統計 http://nicostats.dyndns.info/ 

現状の想像力では、高速な通信を必要として、なおかつ大半の人がそのメリットを理解して、「欲しい!」と思えるようなサービスというのは数えるほどしか思いつかない。動画サービスや、討論で例に出ていた医療分野での利用など、ごくわずか。
文字と写真ベースのコンテンツなら、現状の回線速度でも大きな問題はない。人間が文字を読んだり写真をじっくり見たりする時間のほうが長いから。
 
一方で、「今すぐ光ファイバーのインフラ整備に全力を上げないとまずい」という危機感は、この手のビジネスのリーダーシップを執る人の判断としては正しいとも思っている。インフラ整備は一朝一夕にはできないからね。
 
高画質動画サービス以外で高速な通信を必要とするものといえば、今までローカルのHDDに蓄えていたようなデータやアプリケーションをローカルフォルダ感覚でサーバーに保存出来るサービス・・・会社のイントラネットでは既に常識だが・・・がある。SOHOなどで役に立つだろう。Googleの各種サービスには、将来のインターネット回線が高速になることを見越した物が多いということも重要なポイント。Googleの動向には目が離せない。
 
普通にイメージしやすいのは、ニコ生やUstreamが単純にスペックアップするだろうという話。そのうち、ハイビジョンレベルの画質でニコ生やUstreamが出来るようになるのだろう。そんな高画質の需要が本当にあるのか?とか言い出したら、正直なところよく解らないけど・・・。それよりは携帯やiPhoneでもっと快適に動画再生できるようにする方が、インフラ整備の優先順位としては高いという指摘は、そのとおりではある。

漫画家が漫画描いているところをUsteram放送してた。画質的には十分な気もする
http://www.ustream.tv/channel/%E5%B8%AB%E8%B5%B0%E3%81%AE%E7%BF%81%E4%BD%9C%E7%94%BB%E4%B8%AD
 
Skypeのようなサービスで、ハイビジョンレベルの高画質が当たり前になったら、従来とは違う利用のされ方が出てくるんじゃないかという期待はある。今でもSkypeを常時接続で利用しているような人も居るとは思うけど、例えば、田舎のおじいちゃんおばぁちゃんの家と、東京の孫の家との間が高画質&大画面のskypeで24時間毎日繋がっている、とかいうことになったら、生活スタイル自体にも大きな変化が生まれるだろう。会社で仕事しているお父さんと家で夕食を食べる家族がSkypeで一家団欒、とかね。
通販のWebサイトは無人で営業出来るのがメリットみたいに思われている節があるが、それを逆手にとってSkypeで対面販売しながら営業することを特色とするような通販サイトがもっと増えても良いと思う。対面販売が原則ということで禁止された薬の通販は、Skype経由の対面販売なら許可されるんだろうか?
 
・・・というようなことは、現状でも一応可能なのだが、もし何百万人もがこんなことをやりだしたら、バックボーンが追いつかないのは明らかなので、やはり今後のインフラ整備にも期待せざるをえないわけだ。
 
関連
最新の光ファイバ通信のニュースをひろってみた
http://d.hatena.ne.jp/chintaro3/20100429/1272502061