chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

インフレの話続き。

 
中央銀行が大量の国債買い入れを定常的に行うようになるとインフレが起こる、と書いたが、これは本当に自明なのだろうか?という事を疑ってみた。
 
歴史的に見れば、日本もドイツも昔そういう事をやって大変なインフレが起きた。この時の反省から、「中央銀行国債買い入れはNG」となっている訳だ。でもちょっと冷静に考えてみよう。もしあのとき、大量の国債発行&中央銀行の買い入れということをやらずに、大増税ですべてをまかなっていたら、国の経済がめちゃくちゃになるのを防ぐことができたのだろうか?
 
答えはNO、だろう。インフレでめちゃくちゃになる代わりに、大増税でめちゃくちゃになるだけだ。戦争に莫大なヒト・モノ・カネを投入し、攻撃を受けて莫大な被害が出たことが混乱の根本原因なので、そういう現実を前にしてどのような金融政策・財政策を取ろうとも、混乱は不可避だったはずだ。
何らかの原因で人々の衣食住にかかわる物資の生産・流通が長期的に滞る事態になってしまったら、どのような金融政策を取ろうとも混乱は避けられないのだ。
  
では、平和な現在、積もりに積もった政府の累積債務を、中央銀行国債買い入れという裏技で解消したら、本当に国の経済はめちゃくちゃになるのだろうか???? この点はもっと疑ってみても良いテーマのような気がする。
 
インフレとなる理由は、もともと無価値な紙切れが紙幣として大量に出回ることでお金の価値が落ちることが原因だ。ということは、逆に国債で行う事業の価値を、新規発行するお金の価値にみあうだけ十分に高めれば、インフレを回避できる可能性があるのではないか?
 
例えば、ある人が、1日居眠りやパチンコをしていたにもかかわらず給料を貰ったならば、それはお金の価値を貶める行為である。もし日本中の人がそういうことをやっていたらインフレになる。一方、たとえば事務を自動化するソフトを作って将来の人件費を浮かせられるようなことを行った人の給料に使うのならば、たとえその為に出される給料の源泉が日銀買い入れの国債であろうとも、それが積もり積もってインフレの原因になるというようなことは無いはずだ。
 
また、お金がだぶだぶに余ったからと言って、それだけでは価格上昇にはならない。だぶだぶに余ったお金で生じる需要に答えられるだけの生産能力があれば、値上げは起きず、普通に注文が来ただけの取引が行われ、経済が平常運行するだけだからだ。
 
昔なら、労働力は有限だったので、生産能力増強のために労働者の奪い合い=賃金上昇=値上げ、ということが有りえたが、今は違う。ロボットをひたすら増設して稼働させれば良いだけだからだ。ここでのボトルネックはエネルギーだ。石油や電気代の値上がりが一番困る。逆に言えば、「石油や電気代の値上がりが起きない範囲であるならば、中央銀行国債買い入れを行っても何も問題は起きないのではないか?」。 むしろ、ロボットの開発のためにもっと積極的に国費を投入すべきかもしれない。
 
コンピュータやロボットの登場によって、経済の古い常識は通用しなくなっているかもしれない、と疑ってみる必要があるだろう。