チラ裏御免。
私は第1世代の原発、チェルノブイリ以前の設計の原発は、全て廃炉にすべきだと思う。
それ以降のものも、なるべく早く代替の発電所を設けて順次停止していくべきだ。
しかし、将来に渡って永遠に原発を封印すべきとは思っていない。
たとえば、宇宙開発を今後さらに進めるならば、宇宙空間の放射能をどうすべきかということは重要なテーマだし、それを克服するための技術開発も進めなくてはならない。宇宙空間、というスケールでみれば、放射線だらけで生物が住めない場所の方がむしろ普通なのだ。毎日私たちを照らしてくれる太陽で起こっているのは核融合反応であり、文字通り天文学的な量の放射線を出しまくっている。福島原発なんかと比べ物にならないほど巨大な、しかもむき出しの原子炉が、毎日頭上で輝いているのが地球なのだ。
地球上のような安全な場所の方が、本質的に例外的な空間なのだから、技術開発のテーマとして、放射線の問題をどう克服していくかという事は、おそらく今後数百年という規模で、人類の科学技術開発の大きなテーマであり続けるだろう。この開発をやめることは、宇宙開発を止めることにも等しい。ここは異論が当然あるだろうが、私は宇宙開発をやめることが正しい選択とは思わない。
それを踏まえた上で、原発の安全性の検証として、このぐらいは最低やってほしいもんだ。
・原発のフルシミュレーション
スーパーコンピューター上で、原発のあらゆる設備一式まるごとをモデル化して、さまざまな条件でシミュレーションし、事故の時に何が起こるかを検証できるようにする。そうすれば、現在放射能が高すぎて観測不可能な場所で何が起こっているのかを、より高い精度で推測することが可能になるはずだ。
(現状では福島原発のシミュレーションモデルがないらしい、ということの方に、私はむしろ驚いたのだが。)
地震や津波の被害についても、物理シミュレーションを駆使すれば、構造的な問題点を洗い出すことに役立つはずだ。
・巨大な加振台で、原発丸ごと地震テスト
核燃料を入れてない状態の原発まるごとを台に乗せて、台を揺らせて地震シミュレーションする。イメージとしてはこんな感じ
普通の民家ですら、こうやって試験して検証してるのに、原発に対してこの試験やってないなんて、許せないよね。原発は大きすぎて無理?んなこたーないだろ。それをあきらめる程度の技術力しか無いなら、原発もあきらめるべき。それか、この試験を実施できる程度に原発を小型化するかのどちらかだ。
実証試験なしに安全宣言なんかされたって、もう誰も信じないよ。
いま問題になってる「もんじゅ」も、びびりながら大地震が来るのを待つのではなく、プルトニウムを入れてないモデルプラントを巨大な加振台に建設して、地震試験して、何が起きるのか、どんな補強が有効なのか、積極的に実証試験するべきだ。
・巨大な水槽で、原発丸ごと津波テスト。
上と同じ。実証試験なしに(以下略。
・それでも事故が起こったときのために、最初から原発を地下1000mに作るという手段もあり得る。これなら、万一事故が起こったら、コンクリートで蓋してしまうことができる。しかし地下1000mに原発のような巨大建造物をつくる技術というのは人類はまだ持ち合わせていない。たったそれだけのことが、まだできないのだ。
つまり、真に安全な原発を作るための技術開発には、まだまだやらなければならないことは山ほどある。それができてないのに、原発建設を推進するのは、順番を間違えている。