chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

「VOCALOID公式チャンネル」に一言二言三言

 
ネタ元:
VOCALOID公式チャンネルがオープン!‐ニコニコインフォ
http://blog.nicovideo.jp/niconews/2011/10/017524.html
VOCALOID公式チャンネル
http://ch.nicovideo.jp/channel/vocaloid
 
表題だけ見ると、ちょっと嬉しいニュースですよね。でもね、これ、中身を見ると、ちょっと言わせてもらいたいことがあるの。
 
(1)運営主体をはっきり名乗るべき。
VOCALOID MUSIC PUBLISHINGがお届けする」とは書いてあるんだけど、そんな誰も知らない会社が公式を名乗られても困る。VOCALOIDの商標権はYAMAHAが持ってるんだから、「VOCALOID公式」を標榜できるのは、YAMAHA本体もしくはYAMAHAの完全な管理下にある組織な訳で、つまり実質的にはYAMAHAが主体となってやっているに等しいはずなんだな。権利関係を整理して考えればすぐ解ることではあるんだけど、それを表に出さずに、なんか写真のはじっこにちっちゃくYAMAHAって出して誤魔化す、みたいなやりかたは、まるでステルスマーケティングみたいで非常に気持ちが悪い。実質的な運営主体を、正々堂々と名乗りやがれ。
 
(2)「公式」とつける事のマイナス面にも考慮してほしかった。
商標権をYAMAHAが持っている以上、YAMAHAが「VOCALOID公式」を名乗ることには、法的には何の問題もないです。ただ、「公式」とつけちゃうと、それは暗に「うち以外は非公式」と言っているのにも等しい。確かに現状を見れば、あまりにもYAMAHAの権利がないがしろにされすぎてやしませんかと、関係者として色々思うところもあるとは思う。それは解る。しかし一方では、YAMAHAの力だけで今のボカロ界が有るわけではないんだから、その中で「うちが公式、うち以外は非公式」なんて今さら宣言されるのは、ちょっと困るんだよね。
私だったら、例えば「VOCALOID本家チャンネル」とかいう名前にしてほしかったなぁ。「本家」に対する言葉は「分家」じゃないですか。分家がどんどん増えて子孫繁栄めでたいじゃないか、みたいな方向にイメージしやすいよね。
 
(3)初音ミクが居ないVOCALOID公式って何だそれ。
権利関係がめんどくさいのは解る。初音ミクの権利はクリプトン社のもので、YAMAHAのものではないから、YAMAHAが主体となって行うサービスで、勝手にクリプトンの権利を侵害することはできない。ごもっとも。でもね、見てる人はそんな大人の事情なんか知ったこっちゃないのよ。なんかここには、YAMAHAとクリプトンの間に嫌な感じのコミュニケーションの断絶がある気がするんだよなぁ。すごい残念。残念だ残念だ残念だ。そういう壁をものともせずに乗り越えていけることがボーカロイドの魅力の一つじゃなかったのかよ。泣きそうだよ。
ここで、クリプトンの社長が「うちのミクをVOCALOID公式チャンネルにも出させてやってください」つって頭を下げに行くべきなのか、それともYAMAHA側がクリプトンに頭を下げて「うちのVOCALOID公式チャンネルにミクさんに出て頂けませんか」つって頭をさげるべきなのか、よくわからんけど、普通に考えれば後発のVOCALOID公式チャンネルが頭を下げたほうがスムーズに事が進むと思うんだぜ。
 
(4)要はVOCALOID3の宣伝が目的なんだろ?全力で支援するから堂々とやれよ。
なんで今、YAMAHAがこういう事に力を入れ始めたのかというと、どう考えてもVOCALOID3の宣伝・販売戦略と密接に関係してるに違いないわけです。VOCALOID3では、今までと違って、音声のデータベースと音声合成エンジンが別々に販売されるという事になった、という話だったと思うので、VOCALOID3を成功させるには、まず音声合成エンジンとしてのVOCALOID3をたくさんの人に買ってもらわなくちゃ話が始まらない。それに対しての責任とリスクを負う代わりに、その分の利益もYAMAHAが頂きますよっていうビジネスが、つい最近本格的に始まった、という状況な訳ですね。ここでポイントは、VOCALOID3がビジネス的に成功しなかったら、VOCALOID4も5も無いってことで、つまりVOCALOIDの未来はお先真っ暗ってことになっちまう。それは困る。それはもう、ファンとしても、VOCALOID3の成功に向けて全力で支援せざるを得ないじゃないですか。絶対成功させるんです。だから堂々とVOCALOID3の宣伝をしてもらっていいんです。してください。お願いします。
 

 
VOCALOID3は2011年10月21日金曜日の発売ですよ!