chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

ニコニ広告が開けようとしている風穴

寝付きが悪いので書き起こしておく。
  
ネタ元:
東浩紀「情報そのものを売ってマネタイズするのが不可能。無限に複製可能なデータに、金なんか払うわけがない」
http://togetter.com/li/287839
 
随分前から沢山の人が言っていることなんだが、未だに現状が変わる気配は見えないのな。
 
この流れのカウンターになりうる物ということで思いつくのは、あのニコニ広告。 「お金というのは権力を数値化したものだ」と考える私には、同じく一種の「権力」として機能する広告は、相性がよさそうに見えるのだ。
 
http://uad.nicovideo.jp/rank/
※1ptの価格は1円相当。
 
今はニコ動の運営費を確保するための手段の1つでしかなく、このお金の一部を動画投稿者に直接還元するということは、おそらく銀行法などの縛りのせいで行われておらず、クリエイターへの還元は違う形での実装になっているが、もしその縛りが無かったなら、これは1つの新しい流通手法として定着する可能性があると思う。 つまり、コンテンツそのものは無料で配信し、それを宣伝したいという消費者が拠出する広告費を活用して、コンテンツ制作費をまかなえないだろうか。
 
従来:
コンテンツ制作者→広告・流通網→消費者
 →お金が流通網を経由してコンテンツ制作者へ 
  (広告費は流通網や製作者が負担)
 
ニコニ広告(改)方式:
コンテンツ制作者→ネット→消費者(無料)
 →一部の消費者が広告費を拠出→その一部が制作者へ
 
この場合、従来の「売りまくるために誇大広告する」という行為はほとんど無意味になる。コンテンツが無料配信される事を前提とすると、誇大広告のための費用確保が困難すぎる。コンテンツ製作者は、純粋にファンが増えるようなものを目指して、「これはもっと知られるべき」と思ってもらえるようなコンテンツ作りに精進せざるをえなくなる。 大きな資本を必要としない、個人制作レベルのコンテンツなら、十分に成立しうる話だと思う。 著作権の意味も変わる。従来、著作権が販売代金の一部をもらう権利として機能していたのに対して、広告費の一部を受け取る権利になる。
 
なにげに、これは凄いパラダイムシフトなのではなかろうか。
 
予想される問題点としては、
 
・金持ちに広告枠を買い占められる。
 幸い、今のところニコ動はそうなっていないが、例えば某TV局のようなことが動画サイトで起こらないという保障はない。これはやばそう。 しかし考えてみると、今のTVのCM枠って、まさに「金持ちに買い占められている状態」なのだよな。地上波の民放番組は普通に無料で成立しているわけで、CMを打っている企業が同時にTV番組の消費者でもある、と考えれば、全く目新しさのない話なのであったチャンチャン。 違いとしては、ネット上だと、例えば、広告枠を買い占めようとする輩に対して、広告主名でフィルタリングできるようにする、とか、方法はありそう・・・かな。
 
・小難しい話が主題のコンテンツが衰退する可能性
 そうなんだよなぁ。この欠点があるから、さっきのTogetterの東さんの話に対しては、ニコニ広告(改)方式は、有効な対策にならない可能性が高そうに見える。  ここはだから、今の民法TV局と同じような問題を抱える可能性がある。でも分かんない。今まで本屋でチラ見するぐらいだった人が、無料で手に入れてじっくり読み込んだ結果、「これはすばらしい」っつって広告にお金を出す人が意外と居るかもしれない。ここは読者側のレベルが問われる。
 
 
メリットとしては、従来の物品の売買では、売買一度だけのお金の動きだったのに対して、広告は期間限定物なので、1ユーザーが何度でも広告を打つことができるということ。 無駄なCDを売りまくるようなことをする必要がない。