chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

高温ガス炉の話題

 
ネタ元:
おしらせ - 小飼弾のニコ生サイエンス 「新型原子炉にニコ生が潜入。『安全な原発』は実現するのか?」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51813626.html
 
で、ニコ生がありました。タイムシフト視聴できます。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv100971349
 
高温工学試験実験炉のWebページ
http://httr.jaea.go.jp/
 
良い事と悪い事、どっちから行こう。未来に希望を持ちたいという事で、悪いネタから行こうか。
 
高温ガス炉のボトルネック
・耐久性
 高温なのであらゆる部品に関して劣化が進みやすい。 今のところ、原発というと30年ぐらいの耐用年数が実用化されているが、高温ガス炉を30年も稼働させるのは、かなり厳しいのではないか。耐久性に関する話は上記のWebページにも全く出てこない。昔から研究されているのに、なかなか実用化されないというのも、この辺が少なからず影響しているのではないか。
・ヘリウムのシーリング
 高温高圧のガスが漏れないようにするための技術的な難易度が高い。
黒鉛は本当に大丈夫なのか
 ヘリウムが抜けた状態を想定した実験はPASSしたということだが、最悪、配管が外れるなどして大気(酸素)が炉内に入ってしまった状況を想定すると、どうなるんだろう。高温の黒鉛に酸素が行ってしまったら、非常にマズイ状況になるに違いないのだが、こういう状況を想定した説明が出てこないのは問題がある。
・事故時にも自然放熱でOKというが、炉の規模を大型化するとどうなのか? 比較的規模の小さい実験炉だから、それが実現できているだけじゃないのか?
・核廃棄物の問題が従来と何ら変わらないのも、忘れちゃいけないポイント。
 
 
長所:
ほとんどWebページの受け売りになるが、
・高温なので、水素製造が可能
 これはすごい。これは夢がある技術だね。水素を安価に大量生産できるようになれば、石油の改質とか、石炭油化とかに利用できる。水素をそのまま使えばよさそうなものだが、水素そのまんまだと、ボンベの金属の金属原子の隙間から漏れたり、水素脆化というのが起こってボンベの金属強度が落ちてしまうなど、取り扱いが面倒なのだ。石油や石炭と水素を組み合わせて、使いやすい形で流通させる事が出来れば、少なからずインパクトのある話になる。
 電力が余っているときに、その余ったエネルギーを水素製造の方に振り分けて、電力需要ピークの時に水素を使って発電するという使い方も可能になる。原発の余った電気を蓄える方法としては水力発電を利用するものがあるが、立地条件が厳しかった。水素発電のほうが設置が容易。
 
・熱の利用効率が高い。同じ電力を発電するのに、より少ないウラン燃料で済む。
 ウランも限りある資源だからね。
 
・通常運転中、及び点検中の放射性物質物質の漏れが少ない。
 これは眉唾だけどな。東京に作っても問題ないレベル、と言うなら認めるが。
 
やっぱ注目なのは水素製造だよな。今までの、「将来、化石燃料が枯渇したらどうするんだ!」という議論に対して、「原発で水素作ればいいじゃん」という選択肢が有るか無いかの違いは非常に大きい。水素製造は長期的に見て非常に重要な産業に育つ可能性がある。