chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

AHATを自動車エンジンに応用したら

 
ネタ元:
高効率ガスタービン実用化技術開発(AHAT)に関する施策・事業の概要について
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001640/034_05_08.pdf
高湿分空気を利用したガスタービンシステム(AHAT)
http://www.jsme.or.jp/ted/WS2/hatamiya.pdf
 
注目すべきは、このAHATっていう方式が、ガスタービンの排熱で水蒸気タービンを回すという熱エネルギー回収システムより、エネルギー変換効率が高いという話だ。私の理解では、AHATというのは、ガスタービンに供給している空気に、めいっぱい水分を含ませておくことで、1つのタービンでガスタービンと水蒸気タービンの両方の機能を兼ねさせてしまうという事だと理解した。2つのタービンを回すより、1つのタービンで2つの働きを一度にさせれば、逃げる熱が少ないので効率UPになる。1つのタービンの中で、ガス燃焼時にいままでは無駄になっていた熱エネルギーを、水を水蒸気に変換するエネルギーとして取り出し、まとめてタービンの回転運動エネルギーに変換。なるほど、理にかなっている。
 
で、思ったのだ。この原理って、ガスタービンに限らず、自動車エンジンにも応用可能なんじゃね?と。
ググったら出てきた。
 
水とガソリンを混ぜて燃費とパワーを向上。水混合燃焼システムを発表
http://www.motordays.com/news/articles/wccs_news_20080912/
 
2008年の記事。略称はWCCS。説明を読む限り、やっていることは本質的にAHATと同じだ。面白いのは、この記事が執筆された時点では、

一方で、そもそも水を混合するとなぜ劇的に性能が向上するのか、その理由は解明されておらず、

開発した伊藤レーシングサービスの伊藤社長すらが「まゆつば物だと誰もが思う」と言うほどの信じられない話

カニズムが解明されていない今、これ以上語っても仕方ない。

 
つーことで、大勢としては眉唾あつかいされてしまい、この話が大きく一般に広まるには至っていない。
 
うわーもったいねー・・・・。
 
ガスタービンの例で言えば、AHATにすることで、シンプルサイクルと比較して、エネルギー変換効率は50%ぐらいもUPするという実績が既にあるわけですよ。同じ原理により、これに匹敵する燃費向上が、ガソリンエンジンでも得られる可能性というのは、あると思うね。上記の記事の時点で既に1割UPの実績。控えめに見積もっても、水を加える前提でエンジンをさらに改良すれば2割UPぐらいは余裕だろ。
 
調べてたら、実は「ウォーターインジェクション」という呼称の方が一般的らしい。
http://homepage3.nifty.com/KMG/dic/wootaainjekusyon.html
水を噴霧するという点ではこちらのほうがAHATに近いか。

水はエンジンオイルの劣化を招いてしまいオイル管理がシビアになるため、採用は走行毎にオイル交換をするような競技車両に限られる。

ふむ。問題点は明らかなんだから、あとはこの対策をして耐久性を上げること・・・か。