chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

マイナス金利

 
イングランド銀行、マイナス金利を検討中
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/22ab1b3328856190ab817e3a551c9cc8
 
お金の事についていろいろ考えてきたけれど、やっぱり、実質金利をマイナスにする、という事が、世の中の貧富の差を拡大させないという観点からは重要だ。実質金利がプラスの社会というのは、富める者がますます富み、貧しい物がますます貧しくなっていく社会だ。貯金の金利を得る事には何の労力も要らず、リスクも無いのに、そのために富める者がますます富む、という制度設計はおかしい。経済合理性に欠ける。
 
実質金利がマイナスであるためには、名目金利<インフレ率、であればよい。インフレターゲットがなぜ大事かといえば、名目金利はマイナスに出来ない、とされてきたからだ。名目金利は0%以上なのに、インフレ率がマイナスになってしまったら、どう頑張っても 名目金利<インフレ率 とすることは不可能だ。その結果、上記の制度上の欠陥が露呈し始める。
 
しかし、名目金利をマイナスに設定しても良い、という事なら、話は別だ。インフレ率がマイナスでも、名目金利をそれ以下に設定すれば、 名目金利<インフレ率 とすることが可能だ。日銀が、インフレターゲットの達成を無理だというのは解る。だって物事の価格を決める権利が日銀には無いんだもの。でも、金利を決める権利は持っている。それなら、インフレターゲットの達成をギブアップする代わりに、マイナス金利を設定して、名目金利<インフレ率 とする責任が、中央銀行にはあるのではないか。
 
名目金利<インフレ率 だと、貯金は時とともに目減りしていく事になる。それはけしからんという考え方もあるかもしれないが、そもそも世の中に、お金以外で価値が劣化していかない物事は無い。あらゆる物事が時とともに劣化していくのに、お金だけはいつまでも価値が保たれる、むしろ増える、などというのは不自然だ。おかしい。あらゆる過去の物事と同様に、過去のお金の価値も、時とともに目減りしていく、という仕組みの方が、制度設計としては正しいはずだ。そうする事で、新しい物事への新陳代謝が促進される。
 
マイナス金利も不可能、インフレターゲットの達成も不可能ならば、名目金利<インフレ率とすることも不可能、という事になる。それはすなわち「富める者がますます富み、貧しい物がますます貧しくなっていく社会」を黙認するということになってしまう。金持ちはそれを望むだろう。しかし、それは国全体として正しい選択ではない。