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無料のネットで見られる活動だけのファン「ゼロ円ファン」by菊地成孔氏 --- ARTIFACT@ハテナ系
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20130526/zeroyenfan
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しかも最近になると、「あなたのCDも本もひとつも持ってないけど、大ファンです。ホントに大好きです」っていう方からメールをいただくようになってしまって(苦笑)。
「CDも本も欲しくないけど、応援したい」っていうケースは、この件に限らず、すでに少数派ではなくなってしまっていて、さらにこれからも間違いなく増えるね。昭和的な価値観だと、「CDや本も欲しいし、応援もしたい。CDや本を買えば、自分の欲求も満たせて、応援も出来て、一石二鳥。」だった。ところが、今はもう、そんな時代じゃなくなっちゃった。「CDも本も欲しくないけど、応援したい。」
供給と需要のミスマッチってのは、いろんな所にあってな。
メイドカフェが好きでよく行くのだけれども、「基本、カフェ。」な路線を大事にしているお店だと、チャージ料金も取らず、1つ1つのメニューも普通の値段で、お財布には優しいのだけれど、一方、メイドさんたちがもっと良い時給が貰えるように、売り上げに貢献したいと思っても、売り上げに貢献できるようなメニューが無い!という問題が出てくるのな。そんな飲み物ばっかり飲めねェし、太りすぎを気にする身としてはあれこれ食べる訳にも行かず。 それなら、高い料金を取って、過剰サービス気味なメイドカフェに行けばいいのかというと、それもちょっと違うんだな。過剰サービスいらねぇ。「萌え萌えキュン」とか居心地悪いだけだからやめてくれ、みたいな。あぁ、供給と需要のミスマッチ。
ネットでいつでも大量のアーカイブの中から読み物や音楽を見つけられる時代になって、「暇つぶしの道具としての本やCD」は本当に不要になってしまった。しかし、コンテンツとしてそれらを作り続けるためには、マネタイズが必須条件。だから、普通に考えれば、ネット上で課金して、それらのコンテンツを楽しむ、という行為が、もっと普通になるべき、というのが正攻法に違いない。有料メルマガというのは、現状とりうる正攻法の1つだと思う。まぁ、現状は、ビジネスとしてまだ成り立ってないケースが目立つようなんだが、これをどう考えるかなんだよなぁ。今ダメなら、将来もダメだろう、と悲観するのか、今はダメでも、将来はなんとかするぞ、という方向にもっていくのか。
昔は無かったタイプの消費行動として、例えば「有料のニコ生を見る」というのがある。有料ということだと、中高生の視聴者が減ってしまうし、ビジネスとして厳しいのは同じなのだが、将来性という点でいくと、「生でやっている」という付加価値は違法コピーの問題になりにくく、期待が持てると思う。有名人なら、別に凝ったコンテンツである必要はなくて、例えば毎日、晩飯を食べる様子を有料生放送して、世間話しながら視聴者と一緒に晩飯を食う、みたいな、そんな事でも良い気がするんだよな。そこそこ名前の通ってる人なら課金で晩飯代ぐらいすぐ浮くはず。
かしこまった「CD」とか「本」とか、そういう綺麗に纏まった、「いかにも商品らしい物」を皆が欲しがる・・・という時代じゃ無くなってきてると思うんだよね。
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またちょっと違う見方をすると。
「誰かのファンになって誰かを応援する」という事を客観的に見ると、その価値というのは、そういう事を通じて、実は自分自身が一番支えられているという事、に尽きると思う。自分がダメダメだったら応援以前の状態になってしまうじゃない。誰かを支援しようと思ったら、まず自分がきちんとして、さらにプラスαの仕事をして稼いで、その余剰分で応援する、という事になるでしょ。
この現象を社会全体としてみると、そういう事を通じて、日本中のみんながしっかり仕事をして社会が回る、という事に繋がる訳で、直接ファンからお金がもらえる訳じゃなくても、巡り巡って何らかの恩恵は受けている事になるんじゃないかな。
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関連
「ゼロ円ファン」に関するいくつかの切り口 - 浅倉卓司@blog風味? - ひとりでもグループ
http://asakura.g.hatena.ne.jp/asakura-t/20130527/zeroyenfan