chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

「風立ちぬ」のレビューサイト

 
風立ちぬ ユーザーレビュー --- Yahoo映画
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tymv/id344584/s0/or1
 
ごもっともな批判も多いと思うのだが、そういう批判に埋もれて、ただ無知をさらけ出しているだけの恥ずかしいレビューも散見され、一言いいたくてうずうずしている。
 
・一見、寡黙で無表情な人が、その中身まで外見と同じとは限らないだろ
これだけ批判が多い状況からすると、主人公の心の中の葛藤をアニメの中で描くという事については失敗したと言わざるを得ないのかなぁ。でも、これな、エンジニアだと、この程度の描写でも、アニメの中の堀越二郎がいかに苦悩しながら生きたかという事が伝わってくるんだよな。 地獄のミサワじゃないんだから、これ見よがしに自分の苦悩をひけらかしたりしないよ。
 
結核については私も詳しくは知らないが、Wikipediaの内容を読んだりググったりして解った範囲で重要なポイントと思われるのは
 ・吐血と喀血の違い。  吐血は血を吐く事全般だが、喀血は特に肺と心臓を結んでいる血管から出血し、口からそれを吐いている状況。なので、体の中はかなりボロボロの状態であることを示している。
 ・結核の最後。 衰弱して死ぬと言うよりは、喀血した血が止まらないせいで窒息死する事が多かったそうだ。つまり、喀血する前は比較的調子良さそうに見えていても、突然、ひどい喀血で死ぬ事もあった。
喀血の電報を受け取って、二郎が慌てふためいて奈緒子の所へ駆けつける理由は、この辺の予備知識が無いと意味が解らないかもしれない。喀血したという電報=死んでもおかしくない状況、という事を示す。
 
・ガスが普及する前の時代は、調理場も汽車も、煙まみれだった。タバコの煙なんてかわいいもん。
ガスが市民に普及する前は、良質の炭を使う場合以外は、火を使えば必ず大量の煙が出た。戦前に調理場でガスが使えたのは一部の金持ちだけだ。普通は毎日3度の食事の支度も、SLに乗っても、酷い煙と一緒だった。バスの排気ガスだって今と比べれば酷い状態だった。タバコの健康被害は、当時はほとんど認知されていなかった。タバコ以外の煙がすごかったから、タバコの害を切り分ける事なんて出来なかったのさ。そういう時代を描いた話で、「病人の前でタバコを吸うなんてけしからん」なんて、アホ丸出し。
ちなみに、今も観光目的のSLが走っているが、今走っているSLは全て、ある程度は煙を綺麗にする装置を通した後の煙が排出されている。それでもけっこうな煙だが、昔のSLはそんなもんじゃなかったんだよ。
 
・雨戸を閉めるのがエロいってのは、さすがに想像力たくましすぎやしないか。
そういう目的で雨戸を閉めた可能性は否定しないけど、アルミサッシが1970年代に普及するより前の時代の戸や窓って、防水性能が著しく低かったから、雨が降るなら雨戸は閉めてたんだよ。だから「雨戸」。風が強くて寒い日は、雨戸を閉めれば隙間風を少しでも減らす効果もある。 今みたいな防水&気密性能バッチリなアルミサッシとは訳が違うんだよ。