chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

RAW現像とは何か

 
これなー。デジカメの理屈を解ってない人に、どう説明したらいいものか。だいたい、フォトショップで写真加工するみたいなイメージに取られて、まぁ完全に間違ってる訳じゃないんだけど、もどかしい。
 
・まず前提として、イメージセンサから出力されるデータが、いかにしょぼいか、という問題
 まず、ここが知られて無さ過ぎる。カメラメーカーが必死に隠してるから当然なんだけど。本当にイメージセンサがしょぼいカメラだと、RAWデータ保存できないのはそのため。RAWデータを見れば、そのイメージセンサの素の性能がバレバレになるからな。以前は、RAWデータ保存可能なカメラといえば、それなりに高性能なイメージセンサを積んでいる事の証だった。が、某メーカーのカメラなんかだと画像処理した後のRAWデータもどきをRAWデータと言っていたりするので、さらに話がややこしくなった。
 
・科学的、論理的なアプローチだけでは、必ずしも理想の写真にならない問題。どうしてもアーティスティックな要素が必要になる。
 で、そのぐだぐだな画像データを、なんとかかんとかブラッシュアップして、写真として「見れる」ものにしている訳。ここで半分ぐらいは工学的なアプローチで仕上げられるが、工学的なアプローチだけでは一定以上のレベルの写真にならない。そこで絵画的なセンスも必要になってくる。
 
・そもそもRGBの3原色で映像表現するという事はどういう事なのか。人間の視覚のしくみの問題
 3原色については、学校の美術の時間で習ったと思う。一方、理科の時間では、太陽光には色々な色の光が混ざっているのでプリズムで分離できる実験をやったりしたはず。が、この2つの整合性をどう考えるかって事は、義務教育ではやってない。高校でもたぶん習わない。 原理原則から言えば、3原色などと言わず、100原色でも1000原色でも、光の波長毎に、可能な限り細かく分割して写真を撮影し、表示したほうが、工学的には正確な写真になる。実際、CGで一定レベル以上のクオリティの合成画像を作ろうとした場合、3原色では限界があって、もっと細かく分けた原色で演算処理してから、最後に3原色にまるめこむという手順が必要になる。そうすれば写真と見分けの付かないCG作品を作る事が可能。なぜ、たった3つの色の組み合わせでほぼ全ての色が再現できるかといえば、たまたまそうすることで多くの人の目をうまく誤魔化せたから、というノウハウの積み重ねにすぎない。色盲の人だと違う見え方になるし、色盲の程度も個人差でいろいろなパターンがあるので、あらゆる人にとって常にBESTな状態というのは、3原色では有り得ない。
 
・カメラに内蔵されているRAW現像プログラムは、ぶっちゃけていえば、よくある平凡な写真に最適化されている。個性的な写真であればあるほど、対応が難しい。少ないプログラム量でなるべく多くの写真に最大公約数的に適用できるプログラムを目指せばそうなる訳。だから、もし平凡ではない写真を撮りたいと思うなら、自分でRAW現像してみる価値はある。