chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

GDPが増えない話の続き。

 
THE MAKINNGっていう番組があるだろ。
http://www.youtube.com/playlist?list=PLOEDIkStOhJdckobZ0TVG2S7BYJugGn1j
 
これに出てくる工場には、昔ながらの手作業の工房もあれば、最新鋭の工場も出てくる。
この動画で出てくる工場の自動化が進んだのは1970年代からで、1980代末までの20年間に、主要な所は、ほぼ、この形になっていた。これは、日本の経済成長の時期と一致する。
バブル崩壊以降も、ロボット化とか、より高度な自動化への対応は着々とすすめられている。だが、これらバブル崩壊以降の工場投資は、現在までGDPの伸びには貢献していない。
 
なぜか。
 
・工場の稼働率の問題。
 いくら最新鋭の工場でも、動かなければ富は生み出さない。生産過剰、在庫過剰で工場が止まってしまえば、すべて宝の持ち腐れだ。例えば工場の生産性を10%上げる「カイゼン」を行っても、一方で在庫調整のために稼働率が10が落ちれば、そのカイゼンGDPには貢献しない。
 
・工場刷新は付加価値が低い
 老朽化設備の置き換えは、初期投資と同レベルのコストがかかるが、それによって得られる生産性の向上は僅かだ。1970年頃に作られた工場の一部は、1990年頃から置き換えが始まったはずだ。その投資は経済成長にはあまり貢献しない。現状維持に必要だったコストだ。
 
・自動化が進んで、工場労働者が少なくなって、総労働者の合計の総収入が下がったとしたら、それはGDPにどう影響するのだろうか?
 
・自動化が進んで、ベテラン工員が不要になり、初心者でもオペレーションできるようになれば、労働者の平均賃金は低下する。これはGDPにどう影響するのだろうか?
 
何が言いたいかというと、確かに1990年ごろまでの工場投資は経済成長に大きく貢献したが、それをいつまでも続けているだけでは頭打ちになってしまった。今後、むしろ阻害要因にさえなりえるのではないか、という事。
 
もし、人の幸せについて何も考えず、ひたすら無駄を省いて自動化を推し進めて行ったなら、最終的には人は1人も居なくなって、無人造幣局で全自動でお金を刷る機械だけが動き続ける、というディストピアになるのではないかと想像した。