chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

かくかくしかじか 感想文

 
2回目読んだ。1回読んで、いくつか、好きなシーンが頭の中でリプレイされるんだけど、1回読んだだけでは良く思い出せない所とかあって、2回目最初から読み直し。
1回目と2回目だと、またちょっと印象変わるけど、最後の方の今ちゃんが泣いたシーンは、2回目読んでもやっぱり泣ける。「描け。」
 
私が好きなシーンは、「もうムリ!やめる!」つって、仮病使って帰ろうとしたら、先生にウソがばれて追いかけてきて、でもお腹痛いってのは疑ってなくておんぶしてくれて、バスが来るまで一緒に待ってくれたっていう所。1巻の56ページぐらいからの一節。
いやこれ、普通に考えて、先生には全部バレてたはずなんだよね。で、今まで何人も、そうやって仮病使って帰っちゃって、2度と来なくなっちゃった生徒さんが居たはず。林さんが初めてな訳が無い。
で、「このまま帰したら2度と来ない」という事が解っている目の前の生徒に対して、どう接すればいいのか。「お腹痛いってのもウソなんやろが!」なんて言ってしまったら、それこそもう2度と来ない。何度も失敗して、後悔して、とにかく次また来てもらうこと、来させることが最優先で大切だと。で、先生なりのこういう場合の対処方法の結論が、「嘘でも何でも、生徒の言っている事は全部、信じてやるしかない!」っていうことだったんだろうなと、俺は思うんだよな。
 
「人を信じる」っていうことが、力になるんだな。絵を描くっていうのも、ある意味、絵を見てくれる人の事を信じられるから描けるんだと思うんだ。林さんや今ちゃんが油絵を描けなくなったのは、つまるところ、油絵を見てくれる人の事を信じられなくなっていた、という事に尽きる気がする。自分の絵を見てくれる人のことを信じられないのに、良い絵を描けと言われても、それは無理だ。盲目的に信じるしかないし、その「見る人を信じてくれた事」が見る人の心を動かすんだろうな。