これな。
復刻新装版 学研電子ブロック EX-150
https://www.amazon.co.jp/dp/B00L3YNOV4
これは復刻版だけど、これが、1970年代終わりごろの小中学生にバカウケした。
復刻版が出て、「懐かしいなぁ」って喜ぶオッサンは居るが、今の小中学生に見せても、イマいち、ピンと来ない。
なぜか。
ベースになってる時代背景とか、世の中の技術水準が違いすぎるから、ってことなんだろうな。
逆に言うと、1970年代後半にこれが小中学生にウケる要因となった背景とは何だったのか。
・まだ、真空管が身近にある時代だった。
ちょうど、真空管からトランジスタやICに切り替わる時代で、真空管のTVやラジオがどんどん廃棄されていっている時代だった。廃棄されたTVやラジオはおもちゃ代わりになった。真空管はソケットで、抜きさし交換が容易にできるものだったが、子供たちには何が何だか解らない。動く真空管も多いはずなのに、その使い方がさっぱり解らない事に対するフラストレーションがあった。
・トランジスタが最先端という時代だった。
・丸い真空管から四角い電子ブロックへ、が、正当な進化に見えた。(子供には。)
・宇宙戦艦ヤマトやらガンダムやら、SFもののアニメが流行っていた。
・NASAのアポロ計画が終わってスペースシャトル計画が始まり、先端技術に対する社会的な注目度が高かった。
・リレー式電卓とかがある時代だった。リレーは四角い電子ブロックに似てるね。
子供の頃からiPhoneがあって、大人も子供も1mmも動作原理を理解せずに使っているのが当たり前ということに何の疑問も持たないのが当たり前の社会に、ぽんと40年前の電子ブロックを放り込まれても、意味解らんよな。
しかし、それでも何か、適切な教材があって然るべきなんじゃなかろうか。40年前の電子ブロックを、今ふうにアレンジするとしたら、どうなっているべきなのか。
・全部シミュレーション化して、iPhoneの中で完結するようにする
これのメリットは、故障の心配が無いことと、ネット上でのフォローがしやすいこと。
間違えたら部品が燃えたり爆発したりするのもCGとして再現すれば、それはそれでアリなのかな。
デメリットは、そのシミュレーションで実際にラジオを受信したりできないこと、かな。でもなぁ、意味も解らずラジオが受信できても、それも意味無いんだよな。
・ゴールをどこに置くか問題
1970年代後半という時代なら、ラジオが受信できるとか、ごく簡単なゲームができるとか、そんなレベルでよかった。
高度な3DのCGの中で遊ぶのが普通な時代に、どこにゴール設定するかって、難しい問題やな。
例えばチップ単位でブロック化して最終的にスマホが作れます、って言われてもなぁ。意味解らんものをマニュアル通り組み合わせてみたところで、何の応用も広がりも無い。
・そういう点からいくと、Nintendo Labo は実によくできてるんだよな。ゴール設定のしかたがうまい。かつ応用可能な余地がある。
それでいいのかな。確かに、電気回路云々は枝葉末節の話で、それ以前に、目の前にあるものを工夫して組み合わせて面白い物を作る、っていう遊びをサポートするだけで、まずは十分なのかもしれないな。