chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

商店街のゴーストタウン化問題

先週、元気の無い街の商店街を歩く機会があったのな。
10年前の時点で既にシャッター街化していて、日曜の昼間というのにアーケードを歩く人も開いているお店もまばらだった。
それから10年たってどうなったか。さらに悪化していた。
 
まばらに開いていたお店が、さらに少なくなって、開いている方が珍しい状況。
開いているお店の店番をしているのは高齢化したおじいちゃん・おばぁちゃんばかりで、掃除も行き届いていない。
シャッターの閉まったお店、10年前は、シャッターは閉まっていても、中でおじいちゃんおばぁちゃんが生活している雰囲気があった。しかし今では、完全に空き家で放置された状態になっている。高齢で介護施設などに入ったか、亡くなったのだろう。そんな建物が道の両側に何百メートルも並んでいる。シャッター街の時代は終わり、ゴーストタウンの時代に入りつつあると思った。廃墟化が進みつつある。
 
かつての店の子供は、職業選択の自由で、家業を継がず、どこか別の所に住んで仕事をしているのだろう。
 
不要な店舗・土地なのならば、売って、やる気のある人たちに来てもらって、新陳代謝を促進すべきなのだが、現状では土地も建物も値下がりしてしまい、そんな価格では売りたくないのだろう。もし、ふたたび商店街に活気が戻ったら、値上がりするという可能性を捨てきれないのだろう。
 
詰んでいる。
 
この問題を回避するためには、どうすればよかったんだろう。
 
地方の商店街に最も活気が有ったのは、1960年代、70年代だとおもう。その頃、30台だった人が借金して土地や店舗を買って個人商店を始めた。その人たちが60歳になったのが2000年前後。1990年代から地方の商店街はシャッター街化が進んでいたが、それは商売にならない店が閉店しただけで、まだ人の気配はあったんだよな。それが、2000年代には、商売になっていた店でも、高齢を理由に閉店する店が増えた。そしてそこからさらに現在、2019年では、かつての店主は80歳ぐらいになり、いよいよ寿命が近付きつつあるわけだ。
 
もし、江戸時代のように、子供が家業を継ぐ事が義務付けられていたら、この問題はもうすこしましだった可能性があるが、今の時代、子供に親の仕事を強制する事はできない。それならば、お店の所有権がもっと流動的にならなくてはならないのだが、不動産の所有権は大昔からの名残りを遺している。
 
つまり、そもそも、職業選択の自由と、土地の私有という権利は、街の中心地の商店街のような場所では両立させるべきではなかった、のではないだろうか。もし、店舗の土地が私有財産ではなく、公共のもので、借地料を払って使っている状態だったなら、店を閉めた時点で借地料を払えなくなるので撤退するだろう。新しいお店が入りやすくり、シャッター街化にもうすこし歯止めがかかったはずだ。
 
今、寿命に差し掛かりつつある店主、商店街の個人経営のお店の主は、その土地を買った時、そうとうな高値で買ったはずだ。それが今ではダダ下がりに下がってしまった。それを売って、新しい人が来て、商店街に活気が戻れば、土地は値上がりする訳だが、そうすると、現在の土地の持ち主は、最も土地が高い時にそれを買い、もっとも安い時に売ることになってしまい、それは嫌だ、損だという判断が働いてしまうのだ。
 
この問題を解決するためには、持ち主が納得する金額で、行政が買い上げる、というような処置をするしかないような気がするが、それはそれで、批判が集まるのだろうなぁ。どうしろと。