chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

写真から3Dモデル作成の応用

写真から3Dモデルを作成する「3DF Zephyr」のようなソフト、今は面白半分で使っているが、これが実用的に役に立つ場面があるとしたら、それはどんな場面だろう。

・ZOZO town の事例
体型を3D計測して、それにフィットした服を提供するというサービスがあったな。現状はあまりうまくいっていないかもしれないが、何十年というスパンで見れば将来的に広く普及する可能性は有ると思う。めげずにがんばってもらいたいものだ。
ZOZO townの事例では、わざわざ専用の服を着る必要があった。これは 3DF Zephyr を実際に使ってみて、その必要性が解った。「写真から3Dモデルを推定する」という手法は、のっぺりしたなめらかな曲線の処理が苦手で、つまり人間の裸体とか、人体の石膏モデルのようなものの処理が苦手なのだ。それで、座標計算上のキーポイントとなる特徴量となるマークを配置してやる必要が生じ、あのような形になったのだな。毛孔が見えるほど高精細な写真なら不要なのだがそれではデータが巨大になり過ぎ&PCのパワーを食い過ぎるのである。現時点では、現実的な解だ。
 
・3D動画
今の3D動画と呼ばれる物は、視聴者が移動できない。せいぜい、同じ場所から周りを見渡すだけだ。それが、動画世界の中で、ある程度自由に動けるようになる。それをリアルタイムで中継できるようにするためには、PCの演算能力その他を今の1万倍ぐらい高性能にしなくてはならない。途方も無い数字に見えるが、30年前と今のPCの性能差を比べればそれぐらいあるからな。とはいえ、ムーアの法則も終焉が近づく中、30年後に今の1万倍の性能のPCが一般企業や一般家庭に普及している可能性は低いか。
 
・これから取り壊す建築物の記録
・震災被害の記録
記録に残しておけば、後で役に立つかもしれないよな。「かもしれない」という程度の期待値でやる仕事としては負荷がおおきすぎるけれども。

・子供の成長の記録に
写真や動画撮るじゃん、あの延長線上で、子供の3Dモデルを作る親とか居そうじゃない?
 
・ペットの記録に
ペットって、すぐ死んじゃうからさ。もっとも、ペットはじっとしていてくれないから、同時に多方向から写真を撮る設備が必要で、かなり大がかりな設備にならざるをえない。家庭では無理っぽい。
 
・警察の現場検証に
部屋の様子の3Dモデルは、比較的簡単につくることができる。交通事故の現場などは、すぐに片づけなくてはならないが、とりあえず写真を大量に撮ってあとで3Dモデル化すれば、事故原因の究明に役立ちそうだ。

・パースの付いた写真からパースの付いてない正面図が欲しい時とか
既存の建物の大雑把な三面図が欲しい場合にやくだちそう
 
==========================
・高精度な3Dモデルを作るためには
現状は、ひたすら高精細な画像を大量に食わせるしかない。それをしてもなお、「光る物はダメ」「透明なものはダメ」などの制約が付く。この点は、機械学習的な処理で、将来はある程度改善できるようになる見込みがあると思う。
直線・円弧・平面・球面の推定がうまくできるというブレークスルーがあれば、どこかの時点で画期的に高精度になるのではないか、という期待は捨ててない。現状はまだだけれども。
 
・実際に 3DF Zephyr を使ってみて解った事は、まず、カメラ位置の推定ができる写真セットである必要があるということだ。そのためには、背景がボケてない方が良い。絞りは絞った方が良いという事だ。
・手ぶれも厳禁。シャッター時間は短くしなくてはならない。
・絞りを絞って、なおかつシャッター時間も短いという事は、被写体に当たる光は、そうとう強くなくてはならないということだ。しかし、影は無い方が良くて、間接光で全体をふんわり照らした方が良い。矛盾する要求だ。しかもそのうえ、360°どこから撮っても逆光になってはならない。 ・・・つまり、あらゆる理想条件を満たす事は物理的に矛盾していて不可能という事だ。
 
・カメラ位置の推定に加えて、光源の位置の推定までできるようになれば、1つ問題が片づくかもしれない。