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私はこのまとめに貼られている文章はとても大切なことを言っていると思うし、全面的に同意できるのだが、それについた批判的なコメントの山には心底うんざりした。日本が経済成長しない理由、ここにあり、だ。
話を会社の投資に例えれば話は簡単だ。
ある会社が、1000万円の投資をして、ある設備を購入したとする。
しかし、その設備の原価は500万円で、残りの500万円は設備メーカーの利益になっていたことがわかった。
その事に腹を立てて、「追加料金なしでもう1台作れ」と命令し、設備メーカーがそれに従ってもう1台納入したとしよう。
これで、発注した会社は、1000万円の設備投資で原価500万円の装置を2台導入し、設備メーカーには何の利益も与えないことに成功した。
では、これで、設備投資した会社は「元をとった」のだろうか?
ちがうよね。設備導入しただけでは物語の始まりにすぎない。その設備を動かして、商売して売り上げを上げて、税引き後の純利益が1000万円以上になったなら、「元をとった」と言える。設備が安く買えたり、同じ金額でたくさんの設備が買えたりしたら、「元を取りやすくなる」とは言えるが、それだけで「元をとった」ことにはならない。当たり前の話だ。
これが、食べ放題の店だったら、店に利益を与えないどころか損害を与えるほど食べることで「元をとった」という人がいるのはどういう事だろう。先の事例にならうならば、4000円の食べ放題を食べた後、仕事をして、4000円以上の収入を得ることができたのならば、そこで初めて「元をとった」という事ができる。食べただけで元を取ることは出来ないという主張は正しい。ここでは、どれだけの量を食べたかということは全く問題ではないのである。食べたのが肉ひと切れだったとしても、その後の仕事で4000円稼げる場合もあるかもしれない。その後の仕事のパフォーマンスによい影響があるかどうかという事が最も重要なのだ。食べただけでは消費行為をしただけであり、食べ過ぎて体調を崩したりでもしたら本末転倒だ。
「食べ方題で大量に食べただけで元を取る」という行為を経済的に成立させるためには、「合法的に相手に損失を与える行為にはお金を払うだけの娯楽価値がある」という、とても嫌な価値観を導入する必要がある。確かに、そういうことがほぼ確実に合法的に可能な場所は食べ放題の店以外にはあまりないだろう。「食べ放題の店に損害を与える行為には4000円をはらうだけの娯楽価値がある」と考える人には、「食べ方題で大量に食べて元を取った」と感じられるのだろう。そういう人が少しぐらい存在するかもしれないということには驚かないが、この頭の悪いコメントの山には頭を抱えた。
そんな主張に恥を感じない人間ばかりの国が、経済成長などするはずが無い。
義務教育で、こういうこともちゃんと教えた方が良いんじゃなかろうか。