chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

日本「半導体」敗戦 読了。


日本「半導体」の凋落とともに歩んだ技術者人生 --- JB Press

250ページほどの本だが、文字が大きく図表が多いので、あっという間に読める。平易な表現で読みやすい。
面白いのは最後、BRICSの未来についての話と、「ネジクギ(と同レベルの地位)になった半導体」という下り。
  
はてな村でも、BRICSの話題は驚くほど少ない。書いている人もいるが、ものの見事に注目されない。この本で描かれた日本半導体業界の病巣と同じ病が、じつははてな村を含めて、日本という国のあらゆるところに蔓延しているのではないか、と思った。
 
一方、この本には事例としてほとんど出てこないのだけれども、コストの事をトップが口うるさく言い過ぎて、やっぱり勢いを失ったSONYみたいな会社もあり。 適正なコストバランスというのは不可欠だけれども、外国の真似をするんじゃなくて、日本は日本で我が道を行くしか生きる術は残されてないんじゃないか、とも思う。 Youtubeを抜くことを目指すんじゃなくニコ動を作る、みたいな。あぁでもそういえば、ニコ動が利益を出せていないという話は、日本の半導体産業の低収益体質とだぶるものがあるね。
 

早い話が、DRAMなど半導体は、ネジクギになったのだ。ネジクギとなんら変わらない、ありふれたモノ common tools と化したのである。

日本「半導体」敗戦 湯之上隆 著 237ページより引用
 
クギはともかく、日本製のネジって、実はオーバースペックもいいとこなんだよね、ってことを思い出した。すんごいんだから日本製のネジの精度。それでなおかつ世界的な価格競争力と利益率をちゃんと保ってるんだから、半導体もガンバレよ。
 
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