・もし、代々みんなが20歳で出産したら
20歳でお父さんお母さんになる。40歳でお爺ちゃんお婆ちゃんになる。60歳で 曾お爺ちゃん曾お婆ちゃんになる。 40代の人は、自分の子供のことも孫の事も十分に対応する事が可能だ。80前後で介護が必要なお年寄りの面倒は、60代の人にある程度見てもらう事が出来る。子育てに専念できる世代と、老人介護に専念しなくてはならない世代が完全に別々になり、負担の分散ができる。
・もし、代々みんなが25歳で出産したら
25歳でお父さんお母さんになる。50歳でお爺ちゃんお婆ちゃんになる。75歳で 曾お爺ちゃん曾お婆ちゃんになる。 50代の人は、そろそろ親の介護の心配をしなくてはならなくなるが、子供は親の手を離れており、ギリギリセーフだ。
・もし、代々みんなが30歳で出産したら
30歳でお父さんお母さんになる。60歳でお爺ちゃんお婆ちゃんになる。90歳で 曾お爺ちゃん曾お婆ちゃんになる。 このとき、50前後の世代は、子供が完全には手が離れていない(むしろ大学進学で特にお金がかかる時期かもしれない)状態である上に、自分の親は80前後で、本格的に介護が必要になり始める時期だ。つまり、子供の大変な時期と、親の大変な時期が一度にやってくる。その上、会社勤めで50代といえばそれなりに重要な立場になる。いろんな大変な事が一度にやってきてしまう。 このへんから、黄色信号がともり始める。ここで、何か悪いこと・・・離婚とか事故とか災害とか・・・が重なってしまうと、それを補う余裕は、もう無い。
・もし、代々みんなが35歳で出産したら
35歳でお父さんお母さんになる。70歳でお爺ちゃんお婆ちゃんになる。曾お爺ちゃん曾お婆ちゃんはもう生きてないだろう。このとき、40〜50前後の世代は、子供の世話の大変な時期と、老人介護の大変な時期が完全に重なってしまう。いろんなサービスをうまく活用してしのぐしかないが、精神的にも肉体的にも、非常に厳しい状況に置かれる事を覚悟しなくてはならない。
つまり、なんだか世の中全体に余裕が無くなってきてしまっているように感じられる、という原因の一つには、出産年齢の上昇も関係しているという事だ。