chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

ニコ動のプロは商売として成り立つか

 
ニコニコチャンネルについて、ちょこちょこチェックしている。今のところはまだ制作者側もユーザー側も手探りな感じで、ブレークにはほど遠いといわざるを得ない。でも、プロが堂々とニコ動で商売ができるようになったということは、1年前から考えればずいぶんな変化だと思う。
 
で、話は変わるんだが、ちょっと考えたんだ。
 
動画を制作してUPするためには、当然ながら動画を制作するスキルというものが必要になる。でも、そういうスキルを習得する時間もないし、時間があったとしても作品に仕上げる「才能」がない、という人は多いはずだ。
で、そういう人のために、
 
ニコニコ動画」に投稿する動画の制作を代行します!
 
みたいな商売って、成り立つだろうか? ・・・現状では何らかの規約にひっかかるかもしれないのだけど、まずは可能性として、ね。
 
ビデオ制作といえば、いわゆるCMを筆頭に、会社で何か映像作品を作る場合には、まずプロに頼むだろう。学校のイベント等で、公式記録用のビデオをプロに頼むケースも多い。個人レベルでいえば、結婚式や子供の祝い事などのビデオをプロに頼む、なんていうサービスは聞いたことがあると思う。ここでヒントになるのは、こういう「ビデオ制作の動機」が、必ずしもCMのような明確な金銭的なリターンを得ることを目的としない場合が、実はけっこうあるということだ。
 
では、たとえば、お金もアイデアもあるんだけど、なんらかの理由でじっくりニコ動向けの動画制作に取り組むことができない、という人。居そうですよね。そういう人が、「ニコニコ動画にそれをUPすることを目的として」、自腹を切ってお金を出すので動画制作をプロに頼みたいというケース、・・・出てくるでしょう当然。「お金出してくれたらニコ動向けの動画制作代行しますよ!」という商売は、それなりの実力があれば現時点で既に成り立つかもしれないな、と思うのです。
 
過去の事例でいえば、たとえばホームページ。当初は、たとえば会社の公式HPであっても、会社の中の詳しい人がHTMLを書いて素人っぽいホームページを作っていたと思うんだ。そもそもホームページ制作のプロなんて、最初はどこにも居なかったんだしね。やがて企業のホームページ制作を請け負う会社がたくさん出てきて、いまや、ある程度の規模の会社のホームページはほぼ例外なくプロの手によるものに置き換わってしまっている。 また、個人レベルのホームページは、多機能なブログという形に、かなりの部分が吸収されてしまった。
 
今のニコニコ動画は、かつてのホームページでいえば、みんながHTMLを手作業でコーディングしていた創始期の時代に相当するんじゃないかと思うんだ。これは数年後には、プロのそれと、アマチュアがブログのように手軽に動画作成できる環境で作られたものとに、収束していってしまう可能性はあるんじゃないかな、と。
 
 
 
・・・それじゃあんまり面白くないよね、とも思うのだけど、でも、かつての個人HPが、何のメリットももたらさないためにモチベーションの維持ができず、数年後には次々と閉鎖に追い込まれたのと似たような状況が、今後ニコ動上でも発生することは十分想像できる。一方、そうなったときに、それでもプロとして生き残って面白いものを提供し続けられる人、というのも居るはずだ。たぶん今、ニコ動をやっている人の中に、既にそういうプロの卵がたくさん居る。これ重要。
 
ニコニコチャンネルを見ていて思うのは、従来のビデオコンテンツを制作していたプロが、ニコ動向けに気合いの入った作品を作ったとして、それで100万PVを得られる可能性って、かなり難しいと思うのですよ。少なくとも今すぐには。 それは今100万PV越えしている動画が、単に作品そのものの実力によるものだけではなくて、多分に時代背景的なこととか、まとめサイトの影響とか、ニコ動上の文脈に沿った形でPVをのばしてきたものだから、プロといえども一朝一夕に真似できるものでは無いわけです。 
 
例えばプロに「確実に100万PVをたたき出す動画を作れ!」と言ったとして、有言実行で作れる実力のある人がどれだけいるか、ということがまず一つ。そして実際にそれだけの実力を持った人に取り組んでもらったとして、完成させるのにどれだけの費用がかかるかということ。素人考えでも数千万はかかりそうだよね。リターンなしでこれはきつい。
 
で、まぁ要するに何が言いたいかというと、ニコニコ動画の黒字化の話題もいいけれど、ちょっと切り口を変えればいろいろなビジネスのやりかたがあって、潜在的な需要がまだまだ眠っているはずだよね、ということ。具体的には、まずは今、面白い動画をいろいろあげてくれている人に対して、もっとのびのび活躍できるような環境の整備なり、ビジネス的なバックアップなりが、もっと必要だろうと。それは従来型のプロに頼むより、ずっと有用なお金の使い方かもしれませんよ、と思う次第なのです。
 
 
・・・てか、ぶっちゃけ、10万円で1分ぐらいのちょっとした動画を代わりに作ってくれるっていう人が居たら、内容によっては真面目に検討するよオレ。