chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

スカイ・クロラ見てきた。

 
映画館でスカイ・クロラ見てきた。ポニョと比較するような評論があって、自分でもどんなもんか見てみたくなったので。原作は読んでない。
 
非常に細密な物理3Dシミュレーション映像による背景と戦闘機に、ほとんど乱暴とも思えるような組み合わせでジャパニメーション的な人物描写を組み合わせるという演出は、何か短編ものでは見たことがあったかもしれないけど、映画1本まるまるそれで仕上げるというのは驚いた。普通はもうちょっと背景と人物の融合に気を遣うものだろうという常識を覆すかごとく、まったく別のものとしてそのまま1つの画面に収まっている。最初の違和感はすごかったけど、中盤までくると気にならなくなった。これは流石・・・だな。
あと、3Dシミュレーションで戦闘機を撃墜するようなゲームをやりこんでから見に行くと、登場人物に感情移入しやすいかもしれない。
 
以下ネタバレ含む。
 
この映画でモチーフになっているある種の「殺人ゲーム」という題材は、いままでも何本か見たことがある。「バトルロワイヤル」をちょっと連想したけど、見せ方も主題も全く違っていて、このアニメでは血なまぐさいシーンはほとんど出てこない。そのせいで生きるか死ぬかみたいな切羽詰まったテーマが優等生的に語られてしまうきらいはあって、そこは好みの分かれる所になると思う。どっちかというと俺は嫌い。だけど、見せ方はともかく、そのベースにあるところの、平和だとか永遠の命を得たりすることだとかで、逆に命が軽く薄っぺらなものになってしまう、という矛盾をしっかり提示していて・・・あぁ、なんかこれって、現代人の価値観をすごく根っこの所から疑って掘り返してくる映画だなと。日々のほほんと学生生活や会社員生活を送っている連中は、いったいこの殺人ゲームの登場人物と何が違うんだと。なにも違わないんじゃないのかと。
 
中2病的によく語られるところの「人生って何なんだ、何のために生きて、何のために死ぬんだ」みたいな疑問符が終始もやもやと漂っていて、解決しないまま物語は終わってしまうので、あとは自分で続きを考えざるを得ない。
 
帰り、山の上のラーメン屋まで30分ほど生ぬるい熱帯夜の風を受けながらドライブして、冷やし中華食べながら考えた俺にとっての俺なりの今の答えは、やっぱり自分は日本の伝統的な自然崇拝みたいなところに心の拠り所を求めざるを得ないのかなと。人間も自然の一部なんだということ。そこに咲いている花に意味なんか無く、ただ種から芽を出して成長して花を咲かせて実を付けて枯れる。それはただ美しい。美しく生きて美しく死ぬ。それができれば、他にとやかく言う必要なんて何もない。そういう考え方が今の自分には一番しっくりくるような気がする。