chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

初音ミク界隈で理解されてないこと

 
こっちから読んだ方が良いです→アマチュアミュージシャンの切羽詰まった状況
 
ここ1週間ほど 東浩紀 がマイブームなので、しばらくこのネタで行きます。
今日は東先生の弟子と言われているらしい濱野智史さんの発表から。

 
これ、私は「おぅそうきたか」と。面白いなぁと思ってみました。が、初音ミク発売当初からの流れをおさえている人じゃないと、なんでこういう方向に妄想が爆発してしまったのか、っていうのが、理解出来ないだろうなぁ、理解できない方がむしろ普通なんだろうなぁ、と思って。・・・それはそれでしょうがないし、誰しもが全てのサブカルチャーをチェックして理解するなんて不可能なんだから、解る人が解ればそれで十分、とも思ったのだけど・・・でも、はてな村周辺でさえあまりに反応が薄いので、勝手にちょっと補足説明したい気分になった。
 
(1)なぜ初音ミクなのか
初音ミクをよく知らない人には、まずそこが理解できないはず。なんで涼宮ハルヒ碇シンジじゃダメなのか?
一応、このシンポジウムでは初音ミクはあくまで「例」であって、ふさわしいキャラクターなら何でもOK、という立場なんだけど、「なんで初音ミクを例にしたのか」という説明を、もう少し付け加えることは可能かな、と。
 
まず初音ミクをはじめとするVOCALOIDの技術は、一部の人(本当にごく一部ですが)にとっては、かつてのエレキギター・・・ギャンギャンにディストーションがかかったような・・・の代替となりうる「破壊力」を持ったアイテムとして認知されているということです。このポイントをまず押さえてもらう必要があります。
かつて40年ぐらい昔には、若者のエレキギターとか、それを使ったロックンロールとか何とかっていう音楽が、若者による反体制の象徴のように利用されてきた過去がありました。しかし、それも今は昔。ロックンロールで悪ガキを気取ってた連中も、いまや50代、60代。おなかなんかブヨブヨですよ。おじいさんですよ。清志郎は死んじゃったし(涙。そういう時代になって、21世紀になって、若者が反体制を歌うのにエレキギターじゃもう、カッコつかないんです。で、出てきたのがこの歌。

もっとも、この作者さんには、「反体制」なんていう大げさな意図は無かったんじゃないかと思う。なんだけど、2chと結びつくことで、聞き手が勝手にそう解釈しちゃった。JASRAC登録で炎上しちゃった事件とか、ありましたよね。反体制を歌ったと解釈されうる歌が、初音ミクの代表曲として認知されているということ。ここ、重要です。テストに出ます。
 
余談だけど、この歌も発表されてから既に丸2年以上経過して、現実にみっくみくにされてしまった被害者がこちら。
ELT持田香織の声にファン騒然。--- 痛いニュース
というのはまぁ、冗談ですけど。人気って言うのは勝手に盛り上がったり盛り下がったり、本人は頑張ってるのに、そんなこととは関係なく勝手に流れていってしまうものだし。初音ミクの人気だって盛者必衰な訳でさ。
 
話を戻すと、東先生の発言の中に、「日本のサブカルチャーカウンターカルチャーではない」っていう旨の説明がこの動画とかであったんだけど
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6702583
こと、VOCALOID界隈に限って言うならば、初音ミクカウンターカルチャーの旗手として持ち上げようとしている人たちが、ごく少数ながら存在しているんですね。そこを出発点に妄想を爆発させると「初音ミク出馬」なんていうアイデアが出てきちゃう。もっとも、これは例えば「ローリング・ストーンズを大統領にしようぜ」っていうのに匹敵するぐらいの暴論であることは間違いないと思いますけどw。でも、私はこういうの大好きですよ。
 

 
 
(2)世界の音楽史におけるVOCALOIDの立ち位置
つづく。
 
 
参考:
初音ミクを金星に送る意味 --- 野尻blog
初音ミク出馬せよ、について --- 桃のとうげんきょう