chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

関税以外の障壁について 

 
例えば、車の輸入は既に関税ゼロにもかかわらず、海外の自動車メーカーが望むほどには自動車の輸入が増えてない。ここに、仮に関税以外の障壁があるとすると、何か。
 
輸入自動車の場合:
・自動車のアフターケアにかかるコスト
 輸入車は買った後の維持費が割高という話を耳にすることがある。
・そもそも、海外メーカーは、日本市場向けに真剣に開発しているのか?という疑問
 「ローカライズ」という作業、日本人がアメリカやヨーロッパ向けにそれをやる分には、モチベーションを維持できるが、果たしてアメリカ人が日本向のローカライズに本気で取り組んでいるんだろうか?という疑問。普通に考えてモチベーション上がらない気がする。
・輸入にかかる輸送費と時間という障壁
 まぁ、これは日本車が頑張っていることから言い訳にならないか。
・日本で現地生産すればいいのに
 日本の自動車メーカーがアメリカで現地生産やってるんだから、欧米の自動車メーカーが日本で現地生産やってもよさそうなもんだが、そんな話はググっても出て来なかった。
・整備マニュアルや図面等の日本語化の壁
 工業高校卒の整備工に英語のままのマニュアルは辛いという障壁。
 
 
これが農作物だとどうなるか。
たとえば、30年ぐらい前に関税ゼロになったオレンジの場合:
・船便で腐らない物しか輸出入できない
 このため、皮がぶあついオレンジが専ら輸出されているという。実は、皮が薄い品種のオレンジのほうが美味しいらしいんだが、それは途中で腐っちゃうので日本には入ってこないんだってさ。その結果、コタツの上の温州みかんは今でもその座を守っている。逆もまた然りで、日本の温州みかんアメリカにはほとんど輸出されてない。 関税以上に、輸出入に要する時間的コストが大きすぎるのだ。航空便だと飛行機代高すぎで、関税を下げたぐらいではやっぱり箸棒。
今後、中国その他の東南アジアとの貿易については、この辺の事情がかなり変わってくる可能性はある。
・加工品の市場拡大
 オレンジを濃縮果汁に加工した「オレンジジュースの素」の状態の物が大量に輸入されるようになった。その結果、関税が高かった時代には果汁20〜30%とかだったオレンジジュースの代わりに、果汁100%のものが普通に売られるようになった。これは良かったこと。一方で、国産の温州みかんでジュース原料にされるものは、ガチで輸入の濃縮果汁とコスト競争することになった。味が良く外観も良いみかんは、そのまま流通してコタツの上に上がることが出来るが、味が悪いとか、キズが付いているものはジュース原料に回される。この部分でほとんど利益が出せなくなった。まぁ、これはしょうがない。ジュースが嫌なら良いもの作れって話だからな。
 
 
米の関税が撤廃された場合に予想されること:
・関税撤廃で輸入米の価格が1/8、とかいうのは、現地で大量に取引される時の値段。実際にはそこに輸送費用、保管費用、小売用にパッケージングしなおす費用などがかかる。すると、おそらく、目安としてアメリカで小売されている輸入米ぐらいの価格に落ち着くだろう。おそらく10kgあたり1000円〜2000円ぐらい。今、ググってでてくる国内の安いお米が¥2500円ぐらいだから、一番安い価格帯のお米の値段が今の半額ぐらいになることは期待できる。
・お米10kgともなると、ちょっと宅急便で送るだけで輸送費が¥1000円以上かかる。業者ならもっと安く輸送できるが、それでも限界がある。元のお米の値段が下がっても、輸送費と小売りの取り分を考えると、国内で¥1000/10kg以下でお米が買えるように成るという状況はかなり考えにくい。この値段に見合わない品質の輸入米は、いくら原価が安くても入ってこれないだろう。これが関税以外の障壁とも言える。
・もし一流コシヒカリ並みの品質の輸入米が¥1000円/10kgで売られだしたら、画期的な事になる可能性はある。