chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

マイナス金利

 
ネタ元:
スイス中銀がマイナス金利導入、安全買い抑制でフラン上限守る構え | Reuters
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JW0M820141218

中銀は短い声明で、「ここ数日、さまざまな要因により安全な投資先への需要が高まっている。マイナス金利の導入により、スイスフラン投資への魅力が低下する」と指摘した。

 
なんか、さらっとスルーされちゃってるニュースだけど、これは画期的。
これまでも何度か、マイナス金利がニュースになる事はあったが、今までの例は、成り行き上、やむをえずそうなった的な事で、その意図が解らなかった。でも、今回のこのマイナス金利は違う。「銀行にお金を預ける」という行為の価値を棄損させることを明確に目的としているのである。歴史上、未だかつてそんなことがあっただろうか。今まで、マイナス金利は机上の空論とされてきた。しかし、いよいよそうではなくなったのだ。
 
お金には、原則として債務の裏付けがあるものとされてきた。言いかえれば、世の中の全ての借金が返済されると世の中からお金が消えて無くなってしまうというアレだ。

アメリカ連銀と日銀の不換紙幣への捉え方の違い --- シェイブテイル日記
http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20120629

アメリカ人にはマネーサプライの全てに債務以外の裏付けもないという事実はなかなか飲み込めない。 まして、全員が借金を返済したらもはやマネーは存在しなくなるという驚くべき事実は思い描くことも難しい。 しかしそれが事実なのだ。 1セントも流通しなくなる――全ての硬貨と紙幣は銀行の金庫に戻ってしまう――し、誰の当座預金にも1ドルも残らない。 要するに全てのマネーが消失する。

しかし、マイナス金利が導入されると、そのマイナス金利によって浮いたお金には、債務の裏付けが無いのである。世の中の全ての借金が返済されると、マイナス金利でういたお金は世の中に残る事になるのだ。これは、歴史上、お金が「金本位制」をやめた時の話に匹敵するぐらい、金融史上の重大ニュースになって然るべきた。
 
いざとなれば、マイナス金利という手段もアリ!ということになれば、今まで「ゼロ金利でもうこれ以上金利を下げられない」と言われていた問題の解決に、1つの選択肢が増えることになる。
 
国債額の増大の何が問題なのかと言うと、このまま増え続けると、理屈では、いつか、国債金利だけで税金がすべてもっていかれてしまうような状況が必ず訪れるということだ。複利の問題を甘く見てはいけない。そうなると、足りない金利国債で払う事になり、いよいよ収拾がつかなくなる。日銀がゼロ金利で全ての国債を買い取るなら、問題は相当に先延ばしにできる。もう一歩ふみこんで、マイナス金利国債を日銀が買い取ってくれたら? 労働力不足等の実経済の問題にとってはプラスになる話ではないが、アタマの痛い問題を解決することができるカードが1つ現実になりつつある事の意義は大きい。
 

関連:
マイナス金利 以前書いたネタ。
http://d.hatena.ne.jp/chintaro3/20130228/1362053799
http://d.hatena.ne.jp/chintaro3/20120808/1344431697
http://d.hatena.ne.jp/chintaro3/20110923/1316778845