chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

情報に価値があるのに、情報が売れない時代

 
このサイト見て考えてたのさ。
aidendo
http://www.aitendo.com/
 
電子部品の販売店としては比較的歴史の浅い会社で、その割にはめちゃめちゃ良心的な価格付けで運営されている。想像だけど、たぶん他に主たる収入源があって、電子部品の販売利益に頼る必要が無い環境で商売してるとしか思えない。だって10円の部品を1万個売ったところで10万円の売り上げにしかならんのやぞ。しんどいやろ。品ぞろえを見た感じ、かなり年配の人が仕切ってるぽいなぁという印象はある。写真は若い人ばかりだけど。
 
それはまぁいいのさ。自分のお金でどんな商売をしようと、それはその人の勝手だ。
 
 
問題は、せっかくこういう良心的なサイトがあっても、これを有効活用できる中高生・大学生って、めっちゃ限られるだろうなと。
なぜなら、これらの部品やキットの使い方を教えてくれる人が周りにほとんど居ないから。
親や親せきに、これらの事を懇切丁寧に教えてくれる人が居る子供というのはめちゃくちゃレアなはずだし、学校の先生だってこのへんの事が解るのは高専とかの一部の先生に限られると思う。普通の中学校や普通科の高校の先生では、まず無理だろう。
 
で、たとえばこれらの部品を使って何かを作るYoutuberとか出てきたら、それなりに需要あるんじゃないかとは思うんだよな。
一部、そういうことをやってる人も居ない事は無い。が、ブレークするには至ってない。
 
問題点の一つは、仮に電子工作Youtuberが注目を浴びて、その部品注文が殺到したとしても、それに応えられるだけの供給力が無い、というのがまず1つ。
もう1つは、もし大勢の人が見よう見まねで電子工作を始めたら、失敗する人も大量に出てくることが容易に想像できる訳だが、さてその人たちのアフターケアをどうするのかという問題。
 
それらの事を考え合わせると、結局、高専みたいな教育カリキュラムや講師陣の整った環境が必要ということになってしまって、そうでない人が手を出した所で死屍累々になることが容易に想像つき過ぎるんだよな。
 
本来なら、そういう状況を乗り越えるために、インターネットというのは非常に強力な武器になるはずだった・・・のだが、こと、電子工作に関しては、残念ながらそうなっていない。失敗した人が、失敗事例を乗せたがらないんだよな。みんながどういう目的でインターネットを使っているのか、この現象から透けて見える。要は、みんなかっこつけたいわけだ。人目に付く所で恥はかきたくないわけだ。だから失敗事例の知見がインターネット上で共有されない。たとえ、そういう情報に価値があると言われても。
 
いくら電子部品が低価格で販売されても、使い方が解らなければ1円の価値も無い。ところが、電子部品に付加価値を与える情報をおかねを出して買うのは、専門に勉強した人ばかりだ。無料で情報公開されてるならそれを見る人は増えるが、一方、わざわざ失敗を人目にさらす人も稀である。初心者がお金を出して失敗情報を買う事も無い。しかし、成功事例の情報がネット上にいくらあっても初心者には役に立たず、初心者は失敗する。
 
あぁ・・・なんだかもう・・・なぁ。
 
世の中の歪んだ価値観と、制度設計の失敗だよなぁこれ。

あと、アレだな。昔だったら入手困難だったレア部品が、ネットで検索して簡単に手に入るようにはなったが、簡単に手に入るなら別に欲しくないってやつ。高価なダイヤモンドなら欲しがる人はたくさんいるが、それが大量に採掘されて1個10円になったら誰も欲しがらない的な。