chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

現代教育の敗北

 
ネタ元:
http://kurage-bunch.com/manga/hatarakanai_futari/
 
マンガとしては面白い。リアルタイムに今その年代だとすると、バブル頃に結婚した両親のもとに生まれた子供ということになる。
 
実際、新入社員の教育とか、少しだけど担当するにつけ、この状況がそんなに特殊な事例でも無さそうだという感触は確かに感じるんだな。
 
このお兄ちゃんの場合は、それなりに友人も居てやりたい事も有る様子で、そのうち何とかなりそうに見えるが、要するに目上の人とうまく折り合いを付けていくことが苦手なんだろうな。体育会系の部活とかやってなかったら、普通にごろごろこんな感じの人居るでしょ。
 
妹の方、「何やってもダメな子」ってのは、昔も居たけど、その場合、昔なら、学校卒業したら職業欄に「家事手伝い」とか書いてたタイプだよね。「家事手伝い」って、今はもうほとんど死語になっちゃった感じがするね。手伝うほどの家事の量が無いだろ、ってのが1つと、「女性も経済的に独立すべき」ってのが主流になりすぎて、家族とか旦那さんとかに経済的に依存して生きる女性の生き方が否定されすぎなんじゃないか。洗濯物たたむのだって仕事じゃんね。 子供が出来たらいいお母さんになるかもしれないじゃんね。それが、「就職してない」っていうだけで、自分自身を不当に低く評価してしまっている状況ってのは良くないよね。
 
親の収入が十分有って、持家で、っていう場合、卒業後すぐに就職せずにしばらくぷらぷらしてた若者ってのは、昔でもけっこう居た気がする。お金に困る状況とか、意欲的にお金を貯めたいとかいう動機が無ければ、そんなもんなんじゃないかという気はするよな。
 
その一方で、じゃぁ、こういう人が、自分の部下として配属されたら、はたしてどう指導していくか、頭抱えるよなぁ。まず、こっちがイライラしたりむやみに怒ったりするのは、彼らにとっては訳の解らない行動なので絶対NG。とすると、最初からこちらの期待値を十分下げたレベルからスタートする事になる。ぶっちゃけ、見た目は成人だけど頭の中は小学生レベル、と自分に言い聞かせながら指導する。だってこの子らに例えば電気配線について教えるとしたら、それに関する知識なんて小学生のレベルと大して違わないんだから実際問題。
 
で、それはまぁいい。今から覚えればいい話だ。ゲームを器用にこなすことが出来るなら、そのうちなんとかなるだろう。しかしこの漫画に出てくる兄弟の場合、もっと深刻なのは、「自分が一人前の大人になれる可能性」ってのを、自分自身が全然信じて無いっていう、これは深刻だよな。これはもう、何か根本的に、育て方を間違っただろうとしか言いようが無い。
 
自分の場合どうだったかを振り返ってみると、親が自営業だったから、幼い頃に親の仕事を手伝った事が非常に重要なポイントだったと思う。子供だからすぐに飽きて嫌になって遊び出すんだけれども、大人はずっと仕事してた。子供が途中で手伝いをやめて遊びだしても、「まぁ子供だから」ってことで許される事がほとんどだったと思う。それでも、その記憶があることによって、少し大きくなった時に、「もうあの頃のような幼児じゃないんだから」って事で、簡単には投げ出さなくなった。幼児の頃は持てなかったような重い荷物も、やがて持てるようになった。そういう中で、「あぁ、これなら自分も大人並みにできるかも」という自信を少しづつ付けていった。
 
この子らの場合、親がサラリーマンで、仕事を手伝う訳でも無ければ、親が仕事をしている姿すらほぼ見た事が無い状況で、「幼児の頃から、段階を追って、仕事が出来る自分のイメージを徐々に構築する」っていう過程がごっそり抜け落ちてるんだよな。
 
親の手伝いじゃ無くても、ごっこ遊びでもなんでも良かったはずなんだよな。でも、まさか子供が「サラリーマンごっこ」なんてしないもんなぁw。orz. 「生産ラインごっこ」なんてのも有り得ないよな。  「お店屋さんごっこ」ぐらいならアリか。それで、飲食店がバイト先の候補にあがったりする訳だな。
 
子供がどうやって「仕事が出来る自分のイメージ」を確立するかってのは、勉強そのものよりも実は大事なのかもしれん。勉強できても仕事が出来ないってんじゃ将来困る訳だし、勉強できなくて暴走族やってたワルガキでも、やがて大型トラックの運転手になって、巨大な流通網の担い手になったりする訳でさ。