チラ裏御免。
ネタ元:
自民の11年度税制改正案で「消費税10%」--- 感汁?2chまとめ
http://goodboy22ch.blog69.fc2.com/blog-entry-258.html
化石・大前研一が「新・無税国家論」を唱えているらしい
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20101212/1292117563
一部の税金の税率を下げるとか、一部の税金を無くすとか言うんじゃなくて、いっそのこと日本という国から税金という制度を全て無くして、全部を赤字国債+国債の日銀買い取りでまかなったら、誰が得して誰が損するか考えてみた。
突拍子も無い話のように見えるかもしれないが、現状だって国の財政の約半分は国債な訳で、黒字化のめどは全く立っていない。国の借金は民間の借金とは違うので問題ないなどと大口を叩く輩が政治家にも経済学者にもわんさかいるのが現状。それならば、その国債発行総額を今の約2倍にすればいい話であり、その気になれば可能のはずだ。現状はOKと言っているのに、現状の2倍はダメ、という合理的な理屈があるのだろうか。(ちなみに私は現状は既に完全にNGだと考えている。)
税金を無くしたら:
とりあえずぱっと思いつくメリット
(1)徴税にまつわる莫大な事務手数料が日本の国から全て無くなる。税務署廃止。領収書を大事に取っとくとか確定申告とか全部不要。
(2)脱税なんていうのも無くなる。税金そのものが無いのだから。
(3)消費税を客から取って税務署には収めない、というような不正も無くなる。
(4)税率をいくらにするか、などという不毛な論争から開放される。
その一方で、国費すべてを新規に刷ったお金で賄うとなれば、確実にインフレが起こる。これによってどんな弊害が起こるかざっと考えると、
(5)インフレに伴う頻繁な価格改定(値上げ)。そのため、価格改定に伴う余分な事務経費が莫大に掛かり始める。すなわち、税務消滅で浮いた事務経費は値上げ対応費用に充てる必要が生じ、丸儲けとはならない。
(6)インフレにより、金持ちの現金資産が目減りする。税金を収めなくて良い代わりに、その分インフレで目減りするから、やっぱりここでも「税金が無くなって丸儲けとはならない」。
(7)ただし、インフレによる現金資産の目減りは、納税と違って全ての金持ちに影響する。金持ちの持っている現金資産に正直に比例した影響を受ける。脱税がないというメリットは残るね。階段状の累進課税の階段の角ぎりぎりの人の不公平感、みたいな問題も、無い。
(8)インフレにともなって、どんどん新しい紙幣が必要になるだろう。これに対応するコストも、社会全体で見ると馬鹿にならない。
(9)インフレで経済活性化。お金で持っておくと目減りしてしまうから、投資や在庫ストックに回すお金が増えて、製造業は元気になるかもしれない。インフレに伴う円安は輸出産業にとってはプラスになる。
(10)インフレで世の中の借金が目減りする。ビシネスに失敗した人の再起が容易になるというメリットも無視できないね。ちなみに、インフレで国債も目減りするよ・・・と言いたいところだけど、そもそも無税にして全部日銀買い取りの国債で国政をします、なんて言い始める時点で累積債務なんてただの紙切れになっているのだった。
(11)価格改定において、おそらく立場の強い者と弱い物の格差が顕著化するだろう。立場の強い物(大企業や公共料金など)はトレンドに乗って値上げできるが、中小零細企業は価格据え置きでの営業を余儀なくされたりして、理不尽な理由で困る人が大量発生する恐れがある。ここが最大の問題点だ。
(12)国際的な信用の低下。信用というのは下がるときは思いっきり地に落ちるので、ここでも理不尽な問題が爆発する恐れがある。金持ちの現金資産が一斉に海外に移動してしまい、国内の経済活性化に繋がらない可能性もある。
表向き、現状のような制度が維持されている最大の理由は(11)かな。次に重要な理由としては(12)が強そうだ。これらの問題点を総合すると、要するに税金という制度には、「インフレを抑制する」という機能があるということがわかる。現在はデフレが問題となっているのだから、減税して国債依存度を高めて、若干のインフレ気味になるように誘導するという話には一定の理があるように見える。
しかし、今の政局を見るにつけ、実際に最も大きく影響しているのは(6)の「インフレになると金持ちの資産が目減りしてしまう」という問題かもしれない。だって、国の政策決定に関わるような連中って、金持ちばっかりじゃん。金持ちばっかりで話しあって、金持ちに不利になる結論なんか出るわけないじゃんね。それならば、いつまでたってもデフレが解消しない理由も納得だ。
さらに、金持ちには減税して、広く薄く(そのうち大半は貧乏人なのだが)税負担を押し付けようという、解りやすい話だな。
以上を纏めると、要するに日本の実態は、やっぱり民主主義国家ではなく、金持ち主義国家なのであった。おわり。