chintaro3の日記 

基本、チラ裏です。書いておくと頭の中が整理できますゆえ。

原稿その3

 
動画向け原稿その3 LightRoom ノイズフィルタ編
このあと、マクベスチャートの使い方をやって一区切りとする予定
 
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カメラマンの強い味方 LightRoom解説動画 第3回は、ノイズフィルタについてさらっと説明しておきます。
 
これ、既にLightRoomとか最近のフォトショップ製品持ってる人には解説不要なレベルの簡単なツールなんですが、持ってない人は「こんな簡単にこんなことが出来るんだ−」ってのを知らない人も多いと思うんで、今回取り上げました。
 
まず基本から行きますと、「ノイズフィルター」っていう名前の通り、写真のノイズを取るツールです。ここでまず「写真のノイズって何だ」っていう話から。
 
具体例として解りやすいのは、デジイチでRAWファイル形式で、青空を撮影した写真とかですね。(参考写真表示)こう、拡大してみると、ピクセル毎に明るかったり暗かったり、ザラついた感じになってます。変ですよね。現実の空はこんなザラついた感じにはなっていません。写真の理想としては、たとえば空を撮るなら、現実の空と同じように、均一になっている方が良い訳です。しかし、現実には本来とは違う状態の画像データになってしまっているので、そこで、そのノイズを除去して、本来の姿に近づけてやろう、というのが、ノイズフィルタの基本的な使い方です。「本来の姿に近づける為に」ノイズフィルタをかけるっていうのが基本ですよ。ここ、大事です。いいですか。
 
JPEG形式の場合には、殆どの場合、カメラ内に内蔵されているノイズフィルタを既に一度通ってから、保存されています。RAWファイル形式だと何も加工されてない生のデータで保存されます。LightRoomではもちろんどちらに対してもノイズフィルタをかけることができます。JPEGは既に1回カメラ内でノイズフィルタの処理がかかってますから、LightRoom上では重複してノイズフィルタをかけないという場合もあるでしょう。必要性がないと思えばそれでOKです。RAWファイル形式の場合は、イメージセンサのノイズもそのまま保存されてしまっているので、多少はノイズフィルタをかけるのが普通じゃないかと思います。

具体例行きましょう。こちらがノイズフィルタをかけてない画像、こちらがかけた後。ざらざらした感じがなくなりつつも、形のディテールはきちっと保たれているというのがアドビのノイズフィルターのかしこい所なんですよね。昔は「平均値フィルター」とか「ぼかし」とかいうツールでノイズを誤魔化してたんですが、そうすると、細かい所がぼやけてしまってたんですよね。今はもう、そんなことで苦労する必要は無いんですねぇ。すばらしい。
 
次に、このノイズフィルターの応用としては、こういう使い方もあります。
前回説明したような、色相・彩度・明度の調整をすると、ちょうど色の境い目になってしまったところが、ガタガタで非常に不自然になってしまうことがあります。特に、明度を調整すると、ノイズが目立ってしまって非常に汚い感じになってしまいやすいんですが、これも、ノイズフィルタでうまく誤魔化すことができます。色相・彩度・明度の調整をした場合に、ノイズフィルタ少し強めに入れるのは、もう必須というか、やむを得ない感じですね。
 
さらに、このノイズフィルタの使い方の応用編として、こんな使い方もできちゃいます。これはまぁ「カメラマン」の仕事としては邪道の部類なのかもしれませんが、需要は非常にあるw。 肌の凸凹を、ノイズフィルタで除去して、ツヤツヤの肌に見せてしまうという技です。LightRoomだと簡単。ちょっとスライダーを右に寄せて、強めにノイズフィルターをかけてやるだけ。ちょっと例行きましょう。こちらが使用前。こちらが使用後。
 
これねぇ。女性向け雑誌の表紙とか、こんな写真ばっかでしょ。雑誌はまぁいいとして、許せないのは、化粧品のポスターでこれやってるのを見かけることがあって、「それ化粧じゃないだろアドビのノイズフィルタだろ」って全力でツッコミ入れたくなるドアップの写真、あれは不正競争防止法的にどうなんでしょうね。化粧品の広告なんてそんなもんだってみんな思っちゃってるからそれで良い事になっちゃってるんですかね。ああいう広告には、少なくとも、「この写真はノイズフィルタで加工してます」って一文入れることを義務付けるべきだよね。 そうじゃないと、「うわー、この化粧品使うと、こんな綺麗になれるのかー」って勘違いする人、居るでしょ。ならないから。
 
前回、色相・彩度・明度の調整で、肌色が自由自在だって話をしたでしょ。今回ノイズフィルタで、肌の質感の調整がこんな簡単に自由自在ってことになっちゃってる訳です。しかもそうやって調整した写真が、いつの間にか身の回りに溢れているって事になっちゃうと、写真て何なんだ?ってことを、ちょっと考えなおさざるを得ないってことに、気がつくんですよね。こういうツール使い始めると。うーん。
 
ということで、今回はここまで。
 
次回は、マクベスチャートっていうものを使った色補正について説明します。